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ベイビー・ドライバーのyuriのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.0
本日はベイビー・ドライバー見てきました!

まさに爆音向きのこの作品。音楽が主役の一人と言っても過言じゃないくらい、曲の迫力が一役買っている。

カーアクションには普段興味のない私でさえ、いっきにオープニングで世界に引き込まれた。カーチェイスなんて無粋なものだと思ってたけど(ごめんなさい)開始直後の逃走劇はもはや芸術。もはやセクシーさすら感じる。爽快、痛快。


主人公のベイビーはいつだってiPodを手放さなくて、四六時中音楽を聴いてるんだけど、ひさびさにiPodというモノのことを思い出してなんだか懐かしくなってしまった。

高校生になってお小遣いを貯めて初めて買ったiPodを手にしたとき、なんだかすごく未来に来たような気持ちになった。「音楽を手のひらに。」それはまさに魔法だった。それまで、好きな音楽は自分の部屋でしか聴けないものだった。好きな風景を見ながら外で音楽が聞ける。それも膨大な曲数を持ち運べる。自分の人生のBGMを、自分で奏でることができる。なんてドラマチックなことだろうと胸は高鳴った。指先ひとつで扱えるすいーーっとしたホイールの感触も気持ちよくて、無意味にくるくると音量をいじったりしていた。1日2時間の通学生活の中で、彩りをくれたのは間違いなくiPodだった。Appleという会社がなかったら、私の高校生活における音楽の記憶はきっと半分くらいになっていただろう。

・・・って、話が逸れすぎました。そう、ベイビー。

カーチェイスのあとの、ベイビーが歩きながらステップ踏みながらコーヒーを買いに行くシーンもよかった。ところどころ、歌詞が風景の中の看板や落書きとリンクするの。超かっこいい。楽器の音も、ときたま道の人が演奏していたりして、画面と音がリンクする(説明下手)。すごくおしゃれ。ここだけ切り取ってPVにしていいんじゃないかってくらい。

「B-A-B-Y ベイビー♪」と美声を奏でながら登場するのは大好きなリリー・ジェームズ演じるゼボラ。ここにも出てるなんて知らなかった。マンマ・ミーア2以降ファンになってしまったので、嬉しい誤算。今回改めて思ったけど、リリー・ジェームズってハッピーエンド顔だよね。漂う「陽」のオーラ。この人が不幸のどん底に陥って、お金なくなって、髪も売って、歯も売って、身体も売って命を落とすなんてファンティーヌみたいなことならなさそうだもん。ゼボラの働くダイナーは、いかにもザ・ダイナーって感じで好き。いつかアメリカで行ってみたい。ほんもののダイナー。

育ての親、ジョーとベイビーの関係も良かった。普段は無口だし、口を開いても映画の引用くらいしかしゃべらないベイビーが、ジョーとならぺらぺらしゃべる。ピーナッツバターは端っこまでぬってあげる。

雲行きが怪しくなる後半以降、無実の一般人がドカドカ撃たれるのはちょっと苦手だったけど、もはやヤケクソな終盤戦はアドレナリン出ました。マッドマックス観たときを思い出す感じ。

FocusのHocus Pocusという曲、初めて聴いたけど最高。ヨロロロヨロロロポッポッポーン
!絶対負けられない試合の前とかに聴きたいよね。なんの試合にも出ないけど。

あの自称サイコ男(名前忘れた)はこわかったけど、「テキーラ!!!!」の場面は思わず笑ってしまった。ちゃっかりノリノリかよ!

観終わったら、サントラを聴かずにはいられなくなった。しかも大音量で。



ものすごく余談。オープニングもエンディングもめちゃくちゃ大きく「SONY」のロゴ出てたけど、劇中でフィーチャーされるのはiPodなんだよね。そういうことってあるんだね。いいんだね。
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