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バービーのichicoのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


ずっと楽しみにしてた作品で、公開前の、公式アカウントの一件で気持ちが萎えつつも、
監督のインタビューを読み気を取り直して観にいこうと思えて、そして見て、よかったなと思う。

私たちにとってBarbie(もしくはリカちゃんかもしれない)がどのような存在なのか、そしてBarbieを通して世界をどのように捉えてきたのかということについて、監督ならではのユーモアたっぷりな語り口で小気味よく描いていってくれる。

ただ、ちょっと疑問だったのが、Barbieランドで生まれ育ったバービーとケンにとっての「ステレオタイプ」はリアルワールドのミラーリングだったのだと思うけど、
クライマックスで定型バービーがリアルワールドのステレオタイプを内面化してた?のはなんでなんだろう…。リアルワールドに短期間でも滞在したことで理解したってことなのかな…?
この辺りは翻訳のニュアンスによって解釈ががらりとかわりそうなので私の理解が追いついてないのかもしれない。

一方でケンが自分の中にあった「取るに足りないものとして扱われる」ことに対するストレスから解放され、その勢いで迷走し、戦い、和解する、みたいな流れの方はとてもしっくりきた。ライアン・ゴズリングがシム・リウとともにとても生き生きとケンを演じてたなと思います。

個人的に印象に残ったのがピンチに陥ったバービーが「出来るタイプのバービーがなんとかしてくれるのを待つ!」と言ったシーンで、私も自分には無理だ〜って時にそんな気持ちになってしまうことがある。だからこそここでギクっとしたし、そこからバービーが「わたしがやらなきゃ」になる話なのかなと思ってたんだけど、
あのセリフが回収されてない気がしたのも翻訳のニュアンスを拾えてないせいなのかもしれないな…。

あとジェンダーステレオタイプの話だからっていうのはあるけどステレオタイプの描写が多くて、境界線を越えるキャラクターがあんまりいないのもちょっと気になった。アランがそうなのかもだけど、アラン話を聞いてもらえてない場面が多い気がしちゃったんだよな…
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