Sanald

バービーのSanaldのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.5
わたしは、日本の社会に生きる1人の女性だ。
常に何かからの圧を感じ、周りの目に怯えながらも立ちあがろうともがいてきた。
この映画は、その苦しみを代弁してくれたと思う。

私たちのなりたい姿は、世間から常に否定され続ける。

痩せたい…痩せ過ぎはダメ
じゃあ現状維持で…太りすぎでは?
子供が欲しい…なら早く結婚しなきゃ?
キャリアは捨てたくない…妊娠したら迷惑でしょ?
子供の面倒を見なきゃ…過保護は良くない、夫のことも気にかけて!親のことも!
母になっても趣味を続けたい…家族が最優先でしょ!

何が正しいのか、何を目指すべきなのか
もはやわからなくなってくる。

あなたはありのままで美しい、
生まれてきただけで存在が肯定されている、と世の中は綺麗事を並べるけれど
自分で自分の存在を肯定するってなかなか難しいんだよね。


この映画の凄いところは、そうやって現実社会における女性の厳しい立場を強調しつつ、実は男性も大変なのだということをちゃんと描いていること。

本国アメリカでは、この映画を見て別れたカップルも居るらしいが笑
見終わった後はきっと、お互いの立場を労い、相手にもっと優しくなれるのではと思う。

定型バービーが新しい一歩を踏み出したように、わたしも明日からまた頑張ろうと思わせてくれた。

まだまだ女性についてステレオタイプが根強い日本だからこそ、もっとたくさんの日本人に見てほしいと思った。

未来は、変えられる。
みんなが、それぞれの人らしく、輝いて生きられる社会を作っていきたい。
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