痛烈に面白い、革命的なブラック・コメディ。
華やかなピンクに彩られた、夢のバービーランド。
人形世界のデフォルメと、非現実の具現化。
女性が中心であらゆる職業に就いているバービーランドから、平等を謳いながらもまだ男が中心となる現実世界へ来たギャップ。
女性の在り方を問いつづけていたはずのバービーが、いつのまにか女性のステレオタイプになっていた悲しみ。
逆にバービーランドでは曖昧で目的なく生きていた男という存在が、現実世界で得た希望。
固定観念に侵食される、トキシック・マスキュリニティ。
車やサブカル知識、弾き語りのラブソングという男のステレオタイプが広がった瞬間、完膚なきまでに砕かれる。
オセロの裏と表がハイテンポに裏返され続けるような、未曾有の体験。
目まぐるしいほどアイデアの応酬。
情報が大量に溢れ出していて、こぼさないように必死になるほど。
でも相当笑えるし、超面白い。
固定観念を砕かれ続ける。刺される刺される。
笑いながらグラグラに揺らされる価値観。
男社会の洗脳を解くために語られた言葉が痛快すぎて、頭の中の常識が砕け散る音が聞こえました。
世界の違和感をことごとく顕在化させる。
男女という二項対立ではない、人間として、自分という存在を問われる衝撃。
これは観るべき。