キウイばたけ

バービーのキウイばたけのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
5.0
「ルッキズムを助長して数々の女の子を拒食症にしたBarbieがフェミニズムを語るの…?」
が、この作品を知ったときの印象。正直、すごく不安だった。でも、実際に観たらもうなんかずっと泣いてた。

バービーランドって現実の男社会の逆版だし、お飾りでしかないケンの立場を私はたくさん経験してきた。ケンたちが自分たちの世界を作ろうとしたときのバービーの怒りって、日本でフェミニズムがめちゃくちゃ嫌われてるあの感じなのかな。

『2001年宇宙の旅』のオマージュから始まり、人形は「いいお母さん育成機」だったものから、モノリスとしてのバービーに出会うことで「なりたい私」を表現する進化した人形へ。でもそれはガールズエンパワメントだったはずが、ルッキズムの助長や、有能じゃないと仕事をすることを許されない感じだとか、そういう女の子たちの自己肯定感を削るきっかけにもなってきた。そんなバービーが、私達と同じことで苦しんで、悩んで、泣いて、生きていく映画だった。

ケンたちが「優しくマンスプレイニングし続ける」シーン、笑ってみてたけどまじで辛くなる。

バービーが励まされる人が、おばあさま方なの、最高だよね。