ゆきさおとめ

バービーのゆきさおとめのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

■全体
なんだかすごいものを見た。男性全員に観てください、と言うにはショッキングすぎるかもしれない。今回は女子3人飲み会から、そのまま観に行くことができて非常に良かった。感動のシーンではない時も、バービーの輝きでわからず涙が出たシーンがいくつかあった。

■細かいところの感想とメモ(ネタバレあり)
・バービーランドの大統領も宇宙飛行士も医者もバービーなんだ!私は大統領ではないけど同じバービーだよね!と思う状態と、
現実社会に来たときの男社会との差分でショックを受ける感覚は、
長く女子校にいて部長も生徒会長も女性だった社会から出たときの衝撃にかなり近かった気がしている。

特に自分は中高女子校時代に、同世代の男性と関わることが少なかったこともあり、ロサンゼルスのビーチでの何故か不快な視線が投げかけられている気がする、みたいな部分に対しては「「この感覚が確かにあった」」と突然思い出した。

・最初に大統領も医者もバービーで誇らしい!嬉しい!という気持ちがあったぶん、ケンの社会(大統領をしていたバービーがセクシーな服でビールを運ぶ係になっている)になった時に「私達の世界だったのに壊されてしまった」ような気持ちになり、
ケン達が結託したときには怒りを覚えた時、
アンチフェミの人たちはこういう感覚で怒りを覚えているのかも?という追体験をした感覚になりこれも衝撃だった。(確証はないが)

・バービーメーカーの重役たちが全員オジサンなシーンでは思わず舌打ちしそうになった。ケン達やオジサン達はかなり頭が悪く強調されているので、そこにシンパシーを感じる人は不快さが勝つかも。

・アランはずっとバービー社会に居るのに居ないものとされてる一番最小単位のマイノリティだった。

・バービーの産みの親との小部屋のシーンやラストシーンは喧騒から一転してすごく穏やかで、落差で泣いてしまった。

・ケンは現実社会でも「仕事ができないのであれば必要ない」とされて新天地としてバービーランドを乗っ取った。

・最後「最高裁判所はまだケン達はダメ、とりあえず下級裁判所からね」と言うバービー達と、とんでもないことを言われてるが、とりあえずローブが着れて喜ぶケン達の図は男女歴史だなぁとうなずき。

・責任を負う職務に就くことは男女ともに大変なことであって、思考停止したり責任のない役割をすることは男女ともに楽なことである、というのもきちんと織り込んであって良かった。それは本当にそうなのよね。

・〇〇(例えばビーチでローラースケート)の上手いケンではなく、バービーの付属のケンではなく、ただのケンであることは難しい。競争社会で勝っていることでも、恋愛市場で勝っていることが価値となることとも違う。でもそれでいい、という結論は美しい結論だったと思う。

とにかく書きなぐってしまったけど、見た女性はほとんどあの開眼したバービー達みたいに何かしら衝撃を受けるのではないかな。
今の社会に適応して上手く生きてきた、という感覚が強い女性?にとってこの映画がどう感じられるのか聞いてみたい気がする。
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