走る屍

バービーの走る屍のネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

監督が私情を持ち込みすぎて、盛り込まれたメッセージを無視してエンタメとしてだけで観ることは出来ない。
女性が強くあるべき!独立すべき!と声高く提唱され、男性の眼差しを体現化したような王道バービーが逆に非難対象となる現代の歪められたフェミニズムを挑発するかのように、この映画は安っぽいピンクワールドで包装して「どんな女性でも無理せずありのままでいいんだ♪」とフェミニズムの多様化を魅せてくれる。バービーが家父長制を持ち込んだケンと和解して平和を取り戻した結末で、さも監督は先進的思考と深い懐の持ち主にみえる。しかし、この映画自体が男女の対立が深めてるように思えるし、「女性は、馬鹿でしょうもない男性に譲歩してやっと男女の平衡を保ってやれるんだぜ?」という声が聞こえてきそう。自分が僻みきった腐った性格なので、パンチの効いたような風刺も監督の小賢しさの見せびらかしのように思えた。
走る屍

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