フリーザ

バービーのフリーザのネタバレレビュー・内容・結末

バービー(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ジェンダー問題を扱ったファンタジーコメディ。
中々面白い。

冒頭から『2001年宇宙の旅』パロディ。シンメトリーの構図や奥行のある場所を手前や奥に移動するシーンなんかもキューブリック的。『シャイニング』の名前も出てくるので大分意識してるんだろう。
『ドント・ウォーリー・ダーリン』『ステップフォード・ワイフ』また『トゥルーマン・ショー』の様な箱庭的な世界を描いてもいる。

バービーランドと人間世界を行き来するシーンは『エルフ』っぽいと思ったらウィル・フェレルも出てる。
ウィル・フェレルはドラムのスティック持ってたりしてレッチリのチャド・スミスと似てるのをネタにしてる。

他にも小ネタや元ネタが見え隠れする場面が多く、こういうのを楽しめる人は元ネタ当てゲームに興じるのも楽しいのかもしれない。


ギャグが面白く何度も笑える場面はあった。ケン達の誇張した男らしさについてのシーンが特に印象的だったが「これって女らしさについてだったら笑いにくいよな」とも思ったり。
お母さんが女として生きることの窮屈さをぶちまけるシーンがあったが似たようなことは男にもあるよなぁとも思った。

バービー達が人間世界に!というだけでなく今度はまたバービーランドに!という展開はあまり観たことが無いタイプで面白かった。
しかし母娘やウィル・フェレル達がほぼ空気だったのが頂けない。特に娘が母やバービーを認めて〜という心の動きがさっぱり分からないのでなんならあの子いなくても良かったのでは。
バービーやケンはともかくアランやら母娘の父親等露骨にめちゃくちゃモブ扱いされてる男キャラがいたのもなんだかうーんという感じ。
バービー人形の生みの親である人物の亡霊が登場する場面があるが、実在した故人をああいう形でキャラクターにし、話の核となるシーンを描くというのは正直どうなんだろうとも思ったり。


コメディ映画として楽しめたし話のテーマやメッセージ性の描き方も凡百の作品とは頭1つ抜けているとは思ったが、幾つか「?」な所も目立つ作品だった。
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