泡沫

バービーの泡沫のレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.5
お人形遊びにリアリティ持たせて再現してるとこは楽しくて、かつて私もバービー(ただしのちにジェニーになる方)で遊んだ時のことを思い出した。でも人間世界に着くや否や投げつけられるキャットコールはつらい現実…ケンがビジネスマンとかハマーとか馬見て大興奮してしまうところはそれまでの扱いを思ったら(爆笑しつつも)気の毒だとすら感じてしまった、なにしろ逆転の世界なので。一方で彼らのクーデターに覚えたこの嫌悪感はおそらく現実で「ある種の人々」が抱いているものなのであろうなーと。
創業者が見せた美しい思い出はバービーで遊んだ記憶なのかと思いきや、本人の選択はあの世界を飛び出すというものだったね。やっぱりお人形遊びとフェミニズムの共存は難しいのかな。娘世代のドライさ、彼女たちもまたツァラトゥストラはかく語りきをバックに今度はバービーをぶん投げているとこだったりして…。多様性もなんか危うくて、へんてこはしょせんへんてこでしかなくアランの扱いはケンの100倍軽いまま。そう思ったらなんか我に返ってしまった。ラストの目的地は好きに解釈してねという話なんだろう、わりと必要であるにもかかわらず結構あそこについての忌避感がある人って多いので(その人が悪いわけではない)、その敷居下げようてことなのかなと私は受け止めた。
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