Mr.Booもブルース・リー作品も五福星もプロジェクトAも手がけたポスター作家・阮大勇氏の軌跡を追ったドキュメンタリー。マイケル・ホイの息子さんの作品らしく豪華対談も少し見られてうれしい。ずいぶん違うタッチで多くの作品を描き分けておられ驚かされるけど、イラストレーションだけでなくタイトルロゴのレタリングやレイアウトも1人でこなしているという、イラストレーターの域を大きく超えた「海報師」つまりポスター作家なんである。「天才とおバカ」で見られる、あのレトロコンピュータっぽい書体を漢字にアレンジしたの大好きなんだけどあれもこの人が作ったんだろか。そういうことも含めて作品のイメージ作りに大きく貢献している。デフォルメしているとはいえ、映画のワンシーンや表情を忠実に写し取ったポスターは映画のタイトルを聞いて最初に思い浮かべるイメージだったりするかもしれない。
海外に移住して音信の途絶えた時期もあったそうだが今やネットを駆使して新たな知人を作り（香港は俳優さんもそういう人多いね）、精力的に創作を続けイベントに顔を出したりする彼の支持者には若い人も多い。Mr.Booを40年遅れで初めて見た時、当時の若い才能が集まって作ったのかなという印象を受けたけど、今の若い世代にもまた何か刺激を与えるのかもしれない。しかし香港の人は本当に香港が好きなんだなあ。
