バービーってストーリーも特にないプラスチックの人形だよ。
それの映画を作る事自体がとんでもなくハードルが高いのに、無難にキラキラなただただ可愛い映画にしなかったグレタ・ガーウィグ監督と主演・プロデューサーのマーゴット・ロビーの意志の強さと創造力がまずスゴイと思う。
ピンク色のステキ💓なファンタジーコメディかと思いきや、現代社会のジェンダーギャップをあぶり出すフェミニズム映画と見せかけて、それを反転させたりの揺さぶりをいれ、最終は男女とか性別とか関係なく「完璧でなくても自分は自分で素晴らしい」というど真ん中なメッセージで締めて強引にでもスッキリとさせる構成も良くできていると思う。それなのにファンタジーコメディのみを期待した人にも、ゴリゴリにジェンダー問題に興味ある人にも、何かしら鑑賞後に考える種が植えられるモヤモヤを残すのも心憎い。
それに加えて衣装もセットも音楽もステキだったけど、どうにも心が踊らない映画だった。ワクワクする様な表現が随所にあったけど、メッセージの方が前面に出過ぎてきらびやかさが失われていたからかもしれない。