にょいりんさんの映画レビュー・感想・評価

にょいりん

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

前半はギャグとアクションてんこ盛りな複雑な多元宇宙設定を説明するパートで、笑えたりしたら良かったけどまったく乗れなくて観るのが辛かった。
ただ、後半の多元宇宙を次々と移動する展開は見ていて楽しかったし
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それから(1985年製作の映画)

3.8

松田優作が演じるブラブラしているのに芯の通った高等遊民のダンディズム。そして藤谷美和子の「可憐」そのものの存在感。その二人の悲恋を取り巻く役者陣の華のある演技の妙。

これは日本映画に連綿と続いていた
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僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.3

あつかっている題材もストーリーもまったく心の琴線に触れなかったのに監督の才能をひしひしと感じた。
スタンダードサイズで撮られた澄んだ風景、子供達の瑞々しい演技、トンチキ描写をちょっと入れる独特さ、とか
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WXIII 機動警察パトレイバー(2001年製作の映画)

2.5

ビオランテオを思い出させる怪獣の謎を追う特捜最前線風の刑事モノ+ちょっとだけレイバー。

容疑者と刑事との苦い恋とかもあって楽しめそうだったけど、ミステリー部分の既視感とモンスターアクション部分のユル
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.0

前作はホアキン・フェニックスの演技が凄すぎる事以外はいまいちだったけど、レディ・ガガのハーレイ・クインが楽しみで観に行った。
前作で主人公アーサーが絶望の末にジョーカーとなって起こした事件が元で発火し
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.0

詩情あふれる映像とAIロボットというSF設定を活かした心温まるような話で「いい雰囲気」の映画だった。
最初から最後まで同質の「いい雰囲気」で包まれていて、セリフも主人公家族の設定も「いい雰囲気」のため
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イノセンス(2004年製作の映画)

4.0

S.A.CとARISEの長編を観てから、流れで久しぶりに観たらまったく別ジャンルの映画だった。
哲学的ハードボイルドSFって感じ。

バトーの日常とか古き香港テイストの風景とかのダンディズムに彩られて
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女は男の未来だ(2004年製作の映画)

3.0

男の浅はかで夢みがちで結局はヤリたいだけの性質が露悪的に描かれ、女はモノ分かりが良い男の妄想の様に描かれ、ただただ空虚。
登場人物は基本的にみんな自分の事しか考えていない。
酒盛りのシーンだったりベッ
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僕達急行 A列車で行こう(2011年製作の映画)

3.8

昭和のすっとぼけ系コメディの様式と味わいを絶妙にアップデートしていてほのぼのしつつも新鮮だった。鉄オタの友情と恋のロマンスとお仕事系の話がゆったりとおもしろおかしくつながってゆく展開が昭和コメディ映画>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.0

ゆるい絶望から軽く浮かぶヤツと深い絶望からさらに沈んでいくヤツのからみ合い。
マンガでは主人公と同級生・森田が絶妙に触れ合わない緊張感があってハラハラしたけど、映画では終盤にガッツリからんで普通にバイ
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波紋(2023年製作の映画)

3.8

突然帰ってきた夫、新興宗教、更年期、息子の恋人、仕事先の先輩、、、
主人公は様々な事柄の影響で「寛容」と「不寛容」を行ったり来たりする。観てる方は主人公がイラ立つ事に共感できるし、融通の利かなさにイラ
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アバンチュールはパリで(2007年製作の映画)

3.6

パリの街並みのせいか最初はロメールみたな大人でちょっと理屈っぽいラブストーリーかと思ってたら、だんだんホン・サンスおなじみの韓国男の性欲とかズルさやらがにじみ出てきてだいぶ苦味があったけど、味わいもあ>>続きを読む

浜辺の女(2006年製作の映画)

3.0

ナイーブで勝手な男の海辺のアバンチュール
男男女の三角関係が男女女の三角関係に可変するけど、その頂点の男(映画監督)の不安定さのせいでそれぞれの関係性が揺れ動いて物語がグダグダと展開してゆく
この内容
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正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

著名な映画監督と絵描きの女が出会って別れるとある1日の2通りの可能性世界

(あの時は正しく、今は間違い)
男と女の出会い、カフェでの身の上話、アトリエでの芸術論、酒場での口説き、男のズルさとダメさ、
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キッチン(1989年製作の映画)

4.0

あまりにも初々しいのに現実離れしたスタイルのヒロイン(川原亜矢子)の存在感とどこかメルヘンチックな函館の風景。
静かで少しロマンチックな劇伴。
特になにも起こらない話だったけれど、現実から1.5mほど
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.0

導入から大正時代の遊郭街や街並みをポップな色合いで見せ、その世界観の中に現れる綾瀬はるかがとてもマッチしていて美しかった。アクションシーンは緊張感がないしキレも無かったけど、ドレスアップして銃を撃つ綾>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.8

登場人物の全てが社会倫理からズレているような違和感と何らかの宗教的な規律にはキッチリ従って行動する明確さのせいで、よく分からないし謎が多いけど、なんだか納得した気分にさせれる。

3章のオムニバス構成
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

自己愛と能力にあふれて他意なく搾取できる者の加害性と他者を気づかい過ぎる者の弱さゆえの他責性、一人の死によりどっちもどっちにできない法廷劇という形で、不明確でも結論をつける葛藤と過程に色々考えさせられ>>続きを読む

不都合な記憶(2024年製作の映画)

3.0

宇宙ステーションの情景が過去の日本映画では見た事がないようなクオリティで美しかった
SF設定で細かく気になる部分はありつつ、静謐で徐々にグロテスクになってゆくサスペンス展開も良かったのに、終盤で盛り下
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安城家の舞踏會(1947年製作の映画)

4.0

没落華族の最後を飾る舞踏会の一夜に起こる華麗な愛憎劇
華族階級のプライドという自縛を父と3人の子供達が解いてゆく様がスタイリッシュな映像で描かれ、エレガントで輝かしい朝を迎えるラストシーンが美しい
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砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

3.0

出演者がみんな良い演技しているのになぜかグダグダしていて見続けるのが辛かった。
純真な少女との出会いと恋とサスペンスと唐突なハードバイオレンスと面白い要素だらけなのに。
原作小説があるらしいので上手く
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

最初から最後まで不条理なので意味とか理解する気にもならないスリラー風コメディ。シーンや登場人物に色んな意味があるのだろうけど、その密度が濃そうな雰囲気が分かるだけでお腹いっぱいなった。
ずっと真面目な
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あの頃。(2021年製作の映画)

2.0

大阪アンダーグランドの内輪ノリの露悪さを旬の実力がある役者がちゃんと再現してて、ちゃんと面白くなかった

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.8

過去と未来が並列に進行する80年代後半の新宿を舞台にした一晩の狂騒劇
ゴッドファーザー愛のテーマを弾いた事が発端となり少しずつ物語がグラグラと展開していき、その節々に音楽が奏でられ、音楽が映画を物語る
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ラウンド・ミッドナイト(1986年製作の映画)

3.8

デクスター・ゴードンのベテランミュージシャンの哀愁と芳醇な演奏でもう十分
まったりしたストーリーだけど全編が素晴らしい音楽と雰囲気に包まれていい気分でぼんやり観れる
ライブシーンは豪華なジャズメンが共
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バード(1988年製作の映画)

3.2

チャーリー・パーカー(バード)役の人は顔は似てないけど体型がそっくりだった
奥さん(チャン)が制作協力しているみたいなので雰囲気とかはだいぶ近くしているのかなあ
終始クスリと酒で朦朧として大きな体をノ
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.5

河合優美の手足の長さ、声、目つきとかから最適解を導いた様なカナというヒロインにオープニングのズームから目が離せなかった
カナの歩き方とか動きの細かいニュアンスやセリフ、カナに聞こえている音や音楽がカナ
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