男の世界の成れの果て
良くも悪くも『グッドフェローズ』が「老いた」様な映画
勿論それは「熟成された」と言い換えてもよい
結局のところ「マフィア映画」とは「大人になっても子供の遊びをやめられない男たち」を描いた映画だと思う（実際過去のスコセッシのマフィア映画は常に栄枯盛衰を描いており、そこにいつか必ず終わる青春映画の狂騒の要素が見てとれる。）
そんな手慣れたジャンルにデ・ニーロ…パチーノ…ジョー・ペシまで引っ張り出して（ハーヴェイ・カイテルもね！）、ここまで「老い」というテーマをぶち込んできたところに自己模倣に終わらないスコセッシの「更新」を感じる
ロックが鳴り響いていた過去作の荒々しさの代わりに挿入された終盤の静かなシークエンスこそが「今」のスコセッシが描きたかった部分なのだろうな
自身がこだわってきた「ワイズガイの世界」のシビアな終着点を往年の看板俳優で描くという落とし前
