面白かった！
冒頭、全裸で楽しげに踊る巨大な女たちの映像（アート作品であると後からわかる）から、一気に尋常ならぬ世界に引きずりこまれる。
上流家庭に育ち、美しい容姿を持ち、高学歴で、華やかなギャラリーの世界に生きるヒロイン。しかし、実業家の夫との仲は冷え切っており、その夫の会社は倒産寸前なのに浮気で家を空けてばかり。
恵まれているようで、幸せではない。
そんな女を、エイミー・アダムスが過不足無くリアルに演じきる。
元夫が送りつけてきた暴力的な内容の小説のストーリーと、ヒロインの実生活は映画の中でパラレルに進行し、ある時点から交錯し始める。この映像のトリックが巧い。
小説世界に引き込まれ、憔悴してゆくヒロイン。
フラッシュバックする、元夫との過去。
娘は母親に似るのよ、と宣言する実母の呪縛。
極度な緊張感のあるエピソードが続く中でも、女たちの衣装、オフィスや住居のインテリアなど全てがスタイリッシュでゴージャス。眼福だ。
ラストはなかなか重くて切ないが、そりゃそうだよな、と納得でき、深い余韻が残るオチ。
メロウで怖くてエレガントな、オトナの映画でした。
