アガサ

パージ:大統領令のアガサのネタバレレビュー・内容・結末

パージ:大統領令(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

パージも数十年続けりゃあ上院議員を目指す犠牲者家族の一人や二人出てくるわなあ。
ということで、遺族の会から本格的にパージ廃止に乗り出す志ある議員が登場。
パージ派の候補者と大統領選で一騎討ちとなるのですが、ちょうどパージとタイミングが重なったため、両陣営・両支持者による合法的な潰し合いが勃発。という「やっとかよ感」のある第三弾。
パージの夜だけ犯罪合法化、と言われた瞬間老いも若きも殺人に走る修羅の国アメリカを、果たして諸外国はどうみているのだろうか…という問いに応えるべく、今回は海外から殺人ゲームに参加するツアリストも登場。
いや、そういうことじゃないだろ。
(国連で吊し上げ喰らうだろ)

前回人助けをしたせいで散々な目に遭ったグリロさんが、その後更生してくだんの議員のボディガードになっているのですが、「過去に家族全員パージされた」遺児とは思えないほど危機管理力のない議員だったため今回も散々な目に遭います。
ただ、今回は話のわかる人たちが多数出てきてグリロさんを命懸けで助けてくれるので、負担は随分軽くなっています。
むしろ、負担が軽減された分グリロさんの物分かりが悪くなっていて、せっかく助けてくれた人たちをいつまでも疑ったり、態度が不遜だったり、ありがとうが言えなかったり、「どうしちまったんだよ…グリロさん……」と嘆きたくなる場面も。
悪魔的思想に取り憑かれた敵対議員や、あいもかわらず白人ばっかな殺人大好き富裕層の集会など、食傷気味なくだりもありましたが、ここ10年くらいのアメリカを見ていると全く絵空事でもないのがすごい。

しかしあれですな、パージの夜だけ殺しまくって次の日から一年間真っ当に暮らす人々がそこらじゅうにいる国って、普通に人間不信になりそうなんですけど、よく数十年ももったな。(もってなかったからこそこラストなんでしょうけども)
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