服部だった何か

尚衣院 サンイウォンの服部だった何かのレビュー・感想・評価

尚衣院 サンイウォン(2014年製作の映画)
3.3
韓国映画の中でもこういう歴史モノは特にfilmarksでは人気無いんやろか、と思うぐらいのレビューの少なさに吃驚や。
かくいう俺もさほど興味が無く、予告編すらマトモに見ずの鑑賞。

朝鮮王室の衣類を仕立てる専門の部署サンイウォンの職人。兄の死により即位した王。形だけの王妃。そして身分の低い若造天才仕立師。
こんな感じの主要登場人物。韓国映画お馴染みのコミカルでファンタジックな演出も存分に盛り込みつつ、政治や心情、そして人の生死に関わってくるようなどっしり重いムードもやっぱりある。
職人さんは先王からの仕立師であり確かな腕と伝統を重んじる、天才さんはオシャレに敏感な庶民の仕立てをしてたりと無駄な伝統は削ぎ落としたい。
そんな2人が師弟のようになったり、必然的にライバルのようになったり。これがただの一般階級のお話であれば最終めでたしめでたしなドラマで済むところやけど、舞台となるは王室、一筋縄ではいかんのが面白かった。

前述した主要人物に関しては誰もが根っからのクズなんかではないんやけど、どこをどう間違ったのか、誰もが少しずつ間違ってしまったのか、やるせない結末に向かう。

個人的にヒットやった「王になった男」に比べればアガる場面はそんなになかったんやけど、悪くない余韻を残す一本やったわ工藤。