茱萸

尚衣院 サンイウォンの茱萸のネタバレレビュー・内容・結末

尚衣院 サンイウォン(2014年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず現代から始まるのが意外すぎてびっくりしたし、服の話っていう珍しさにすぐ惹き込まれた。
韓国歴史作品は今までにも多数見てきたけど、そのどれとも視点が違うしテーマが一貫してて新鮮。

型が決まってて規律がきつい中での機能性と大胆さを両立させたオシャレ。良いなあ。
…そりゃ王妃だって若いしオシャレしたいよね、とか。

ここ数年で自分の見方が変わっただけかもしれないけど、現代の歴史モノって感じがしたなあ。韓国歴史モノもちゃんとアップデートされてるんだな…というか。
女性の格好に文句言うのは男だし、でもそういう昔のジェンダー感ちょっとおかしいよねっていう、どこか客観的な視点も入ってる気がして。
2014年製作でこれだったらもっと最近に作られた歴史モノも見たくなるなあ…と思う。

月の下で想像するシーンでちょっとファンタジーみが入ってくるのも良かった。

ストーリーはどこか『クルエラ』を思い出したり(作られたのはこっちの方が前だけど)。
ハン・ソッキュは悪役のイメージが強いし、なんか小細工するんじゃないか…と最初から気が気じゃなかったけど、意外と褒められてニコニコしてる……と思ったのに結局案の定やないかい。
柔軟で大胆な考え方の若い世代と、自分は規則に従ってきっちりやってきたからこそ新しいやり方を受け入れられない昔ながらの世代。
でもゴンジンは決して今までのやり方を壊したいわけじゃなくて、良いものは素直に良いって言うんだよなあ。
ただ御針匠も御針匠で肩身が狭いしちょっと可哀想ではあるよ…と、思ってたのに。。
パクってなお完敗だし、しかも下品下品って言われてたゴンジンが作った王妃の服がめちゃくちゃ上品っていう。
「王妃様の御成〜〜」でボロ泣きしてしまった…

王、一番ムカつくわーー。
お前が王妃をほっといたのに何をキレてんだ。

最後、王妃と一緒に泣いてしまったな……

御針匠の敗因はなにより自分の腕を信じなかったことだよなあ。哀れだ。

で、見てるうちにいつの間にやら現代から始まったことはもうすっかり忘れてた。
王妃のあの服が「御針匠作」として伝えられてる、っていうのを無言で見せる終わり方、良い……。
茱萸

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