ゆず塩

20センチュリー・ウーマンのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【感想】
ジェイミー役のルーカス・ジェイド・ズマン、『アンという名の少女』でギルバートを演じてたので今作ではどんな役かなーって楽しみに見てた。普通にカッコいい少年だったけど!
3人の女性を見る視点のための配役だったのでしょうけれど。いい位置にいるキャラクターでした。

グレタ・ガーウィグも、俳優としてどんな役やるのかワクワク。アビーは、派手な見た目の割に落ち着いたキャラクターなのがリアリティを感じたのかな。グレタさん自身、『バービー』のインタビューでも案外落ち着いた印象だったし。本人も明るくてもやっぱり落ち着いた感じの人なのかも……って勝手に思った。

お話自体は、ゴールの見えない話で、見やすくはなかったかな。
世代ごとの女性で、フェミニズムだったり性に対する考え方の違いをみせたかったのかなぁ、と思ったけど。どのキャラクターも自然体な人々という感じなのが良かったかな。皆さんめっちゃタバコ吸ってる姿が様になってるよね。

一番興味深かったエル・ファニングのジュリーは、メンヘラ的な女の子でいいのかな。とても可愛く映ってて……でも、一緒に居続けるのは怖そうな。ジュリーにとって性行為は好意を表す手段としては意味がないようで。でも、ジェイミーにはそれができないから、何かしら意味をもってるんだろうけど。ジェイミーからしたらジュリーの心情は意味わからんだろうし、私もよくわからん。
ジュリーにとって、友達から恋愛対象に変化するということがなかったというだけではあるのだろうけど。じゃぁ、セックスしてた他の男性のことはどう思っていたのか……。なんとも思ってなかったのかな。ジェイミーよりは、心を許していなかったのではなかろうか、って思いたいがそれは個人的な願望か。ま、『ジェイミーは恋愛対象ではない』ということは変わらないのでしょう。そして、『安易に性行為が出来る相手でもない(他の男性にはできるが)』というのも事実なんだろうな。「信頼度低いが、セックスできる」、「信頼度高いが、セックスできない」というのがなんだか自分の中の理屈と矛盾してて、面白いキャラクターに感じたんだろうな。あと普通に、とても可愛かったってのがあるんでしょうが。

お母さんが息子の事をわからなくなる、って感覚は何となくわかるような。外でのあの子の顔を見られない、っていうセリフが染みた。
ジェイミーの失神ごっこ遊びは、親からしたら怖いわな。友達の真似してやっちゃうジェイミーの気持ちもわかるけど。

ラストにこの5人の未来が語られるけど、バラバラになったというのがなんだか切なかった。きっと自然に離れて行ったんでしょうね。
ゆず塩

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