ふぅた

20センチュリー・ウーマンのふぅたのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.0
1979年。上空から見たサンタバーバラの海と町。独特なサウンドが流れる中、鳥になった気分で町を一望しているとスーパーマーケットの駐車場で炎上する65年型ギャラクシー500が目に飛び込む。

この流れは間違いないと確信した。

かつてアメリカ大恐慌時代を生きたシングルマザーのドロシア(55)は、現代(79年)を生きる一人息子のジェイミー(15)の思春期と反抗期に悩まされる。
パンク、クラブ、酒、コカイン、性問題、女性改革。
一方ジェイミーは大恐慌時代を生きた孤独な母に自分を分かってもらうことは困難で面倒だと思う。
息子の教育に一人では手をつけられないと判断したドロシアは、24歳のアビー、17歳のジェリーに教育係を頼む。二人の女性と母ドロシアと生活をする中で、ジェイミーは次第に少年から青年、男へと成長していく。

脚本はもちろん音楽に合わせた映像展開がリズミカルかつ美しい。
シーンの流れが心地よくワンカットワンカットが絵になる。
衣装、美術、カラーコーディネートは文句無しで当時のアメリカンテイストを感じられる。
家がとっても可愛い。
当時のカルチャーやファッションをドキュメンタリー風な演出から学べるのも魅力的だった。

母と息子の物語を息子目線で記録に残したドキュメンタリーチックな映画で包み隠さない親子愛に感動した。
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