シロー

明日へのシローのレビュー・感想・評価

明日へ(2014年製作の映画)
3.2
スーパーで働く非正規社員。会社の意向で不当に解雇通知を受けるが、納得がいかない彼女たちは労組を組織してストライキを決行する。

なんかぱっと見た感じコメディっぽいのかなと思ったらゴリゴリにシリアスな作品だった。労働問題(元になった実際の事件あり)を取り扱うのは初めて見たので、新鮮さがありながら、韓国の労働問題や社会構造の闇を垣間見たような気もした。貧困によって生活がままならない人がたくさんいて、その子供もまたヤングケアラーにならざるを得ない部分もあって、闘争の果てに少し希望が見えたのは良かったなって思った。日本じゃストなんて成功しなさそう……(最近佐野であったけど)

原題の「カート」🛒
スーパーで使うカートは日用品や食品を背負い込むもので、いわばそのひとの生活を支える元になるもの。従業員それぞれに闘う理由がある。自分のため、家族のため。それらを武器(闘争心)にしてストをやり抜いた。ラストの機動隊にカートで突っ込むシーンも、そのひとが背負う人生ごとぶつかっているように見えた。
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