ひな

レディ・バードのひなのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分の人生のつまらなさ、自分という人間のつまらなさを、生まれ育った環境や恵まれなさに押しつけるあたり、かなりわかって、痛かった。
わたしもお父さん失業したことあるし、
みんなが新品で買い揃えてたもの、古着屋さんに買いに行っていて、
本当は父と母のことが好きなのに、
みじめに感じるときもあって、そのことが腹立たしかったな。
自分が自分が自分が!って思っていても、周りはあまりみてくれないのも。
そこらへんの描写がすごく共感できたし、
忘れてた気持ちを思い出したりした。
こんなつまんない町、小さな家、わかってくれない大人たち、捨ててやるんだ、わたしは一人で楽しく生きてやると思って、大学進学をきめたのは、わたしもおなじだから。笑

レディ・バードが名前を受け入れて、神を受け入れたことは、つまり自分の生まれ育った環境を受け入れることで、自分のつまらなさを受け入れることでもあり、表情の変化がみていて気持ちが良かった。
運転してみると、違った町にみえて、感動した、というレディ・バード。
「運転ができるようになった」ことが原因じゃなくて、俯瞰できるように大人になったことも一因。帰省してみると、どうしてか風景がきらきらしてみえる。
わたしもレディ・バードのようにいくらかは成長してるだろうか?

あとティモシーの不幸ぶる感じ、ああいうやついるよな〜。
自分はそこそこ恵まれてるのに、陰謀論がどうのとか言って、不幸なんだと思う危うい感じ。
あれはあれで痛い。

レディ・バードの部屋のごちゃごちゃした、自分のアイデンティティを存分に爆裂させる感じ、それを真っ白に染めてから家を去ることに意味を感じた。
ひな

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