カネコ

レディ・バードのカネコのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
皆んな一度は通る道🌷思春期全部乗せ。

自称レディ・バード=クリスティンの17歳の1年間🦩
大学受験・母親との衝突・友人関係・恋愛と初体験・まだ何者にでもなれると思っていた日々は懐かしくて痛々しくてしょっぱくて甘酸っぱくて切ない。

親の付けた名前が気に入らないの自分も身に覚えが。もっと古風な名前が良かったとか思ってたけど今では立派に自分の名前も古風な名前になってる笑

親に反発するのも思春期の通過儀礼だけど母親に対しては女同士でお互い踏み込んでくるから当たりも激しくなる。
志望校も親の経済力が重要だしこの辺りから自分の未来は無限では無くてどうやっても無理なラインが見えてきて現実を知るんだよね。
レディバードは自分の家を自虐的に友だちに話したり理想の家を自分の家だと偽ったり気持ちは分かるけどこれぞ思春期!って感じでむず痒くなる。

髪の毛とか壁をピンクにするのは思春期の象徴なのかな。こないだ観た積み木崩しでも全てをピンクに塗り潰してた。あちらに比べるとはえらい違いのお洒落ピンクだけど。

親友ジュリーと下らないお喋りして延々笑ってるのも良。
一緒にミュージカル部に入ってお互いの恋愛を応援したり青春。
この時の彼氏はすごく良い子だった。

急にジュリーと疎遠になってイケてる女子ジェナとつるみ出してイケメンだけどしょうもないバンドマンのカイルと付き合い出す。
ジェナのホームパーティで流れてるジャステン・ティンバレークの”cry me river“懐かしい。
スクールカースト上位になったけどなんだか噛み合わない。
カイルのダメっぷりはレディバードを迎えに来た時に家族に挨拶しないで車の中からクラクション鳴らす所に見えてる。
本当ああいう男と付き合ったらいけないよ。でも顔面強ければモテてしまうんだよね。

結局イケてるパーティよりも学校のプロムを選んだレディバード。
ジェナとのプロムシーンはほっこりした。

今作が共感出来るのはレディバードがいわゆる普通の女子高生なのが大きいと思う。イケてる訳でもなく陰キャでもなくしっかり自分を持っているけど自己主張の仕方がちょっと痛かったりする。頭も悪くは無いけど優秀ではない。そういうキャラが誰もが自分と重なる部分を見つけることが出来て共感を呼んでいると思った。

また2003年の時代設定が絶妙。
流行りのy2kだね。
懐かしい自分を思い出した。
9.11の映像をテレビで観ているレディバード。自分も夜中に彼氏の家で見て呆然とした記憶。

最後の大学の新歓コンパ的なやつ。
身に覚えがあり過ぎて悶えた笑

一見なにも起こらない退屈な映画かもしれないけど思春期はそんな毎日だし当人にとっては大問題だった些細な事を思い出させてくれた。これがエモいってやつか🌷
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