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レディ・バードのandlove804のレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.3
この映画のポイントは「母と娘の関係は万国共通でめんどくさい!」
以前紹介した、21センチュリーウーマンでは女優として出演していた、グレタカーヴィヴが初めて監督を務めたのが、レディバード。舞台は2002年アメリカカリフォルニア州サクラメント。片田舎のカトリック系高校からニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティンは高校三年生。友達、彼氏、家族、とにかく毎日楽しかったり、イライラしたり、悲しかったり。いわゆる「思春期」真っ只中の、女子高生のストーリー。
彼女の本当の名前は「クリスティン」なんだけど、ありきたりな名前だということで、自らを「レディバード」と名乗ります。名前が気に食わない。田舎が気に食わない。家が裕福じゃないことが恥ずかしい、私はもっと素敵になれる。私がいるのはここじゃない。
ほんっとに、思春期ならではの、葛藤がたくさんあって、なんて愛しいんだろう。と。感じます。で、これは、女子ならではの感覚というか、
母親とぶつかるシーンがとにかく多いんですよね。小さい事で喧嘩になるわけ。
どうして、私を認めてくれようとしないの?お母さんはいつも私のことを否定する!ってレディバードは言うけど、お母さんからすると、そんなことはないんですよね。
親となった今だからこそ、そう思えるけど、10代後半の多感な時期は、
もうとにかく、お母さんと、ぶつかっていたなぁと。今でも喧嘩しますけどね。
だから本当に自分と母を見ているようでもどかしくて愛しくなるんです。
コレ私だけじゃなくて、恐らく、多くの母と娘が、共感できる。大きな感動があるとか、事件が起こるとか、そういうわけじゃないのに、
気持ちがどんどん溢れてきて、懐かしくて、この場面でってことじゃなく、ツーっていきなり涙が出てきちゃう感じ。どの場面ってわけじゃないの。

娘を育てたことがあるお母さんへ。娘だったあなたへ。是非おすすめしたい。
ぶつかるだけじゃない、最後はとてもさわやかに、いい映画みたなぁという感想を抱くはず。
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