悠

レディ・バードの悠のレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
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【羽ばたけ、自分。】

自分以外の何かになりたい。女の子にとってそれは、憧れであり、欲望であり、それ以上の生まれ持った特質なのではないかと思う。「わたしはレディ・バード」バービーやリカちゃんに名前つけたり、好きな人の姓をあててみたり、そういうことを私も自然と通過してきたな。母娘の関係にあるぐずぐずとしたフラストレーション。手放したその先にある自分をみて、手放してきたそのものにみえて、苦しくなるのだろうか。「信じられている」という安心から「分かってくれない」という絶望が生まれる。育ってきた巣を出て羽ばたいたとき、そのあたたかさに気づく。そうしてやっと、自分そのものの価値が見えるのかもしれない。「クリスティンよ」意思のある瞳で彼女は名乗った。

Lady Bird
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