りこぴん丸

レディ・バードのりこぴん丸のネタバレレビュー・内容・結末

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

自分をレディ・バードと名乗る女の子のハートフルコメディ。

彼女は常に日々の中で楽しい事を探し、大人な情事を妄想しては、憧れの人物の名前を部屋の壁に書いたりするような、どこにでもいるいたいけな女子高生。

自身の通う田舎のカトリック系ハイスクールは彼女にとって退屈そのもの。
事ある事にトラブルを巻き起こしていき、その中心でいつもあぐらをかいて踏ん反り返ってるような感じ。

所属している劇団のオーディションで一人だけ趣旨とかけ離れたアカペラを披露したり、カーストの高い異性に近づこうとして親友をおざなりにしたり、都会の大学進学を反対する母親に秘密にしたり。
そんな自由奔放な彼女と、周りを取り囲む癖の強い登場人物達は、様々な角度からぶつかりあう。

都会に憧れを持ち家庭や学校や友人に不満を持ちながらも、生まれ育ったサクラメントで誰よりも青春を謳歌してる。
本当は気付いてるけど胸を張ってそれを言えなかったのは、きっとまだ何者でも無いから。
レディバードと名乗っていたのも、なりたい理想像が彼女の中にあるから。

そんな学校生活を経ていつの間にか成長していた彼女は進学先のニューヨークで、ずっと自分の事を見ていてくれた大好きな親に留守電を残す。

観終わった感想としてはとても胸がほっこりする映画。
認めてもらいたい、褒められたい、好かれたい、色んな欲求が突き上がって、気付いたら誰かを傷付けたり傷付けられてたり。
こんな時期あったよなぁって、自分と重ねてしまうような話だった。
応援したくなるような主人公で、まさに自分が背中を押されるような作品。
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