Sanald

レディ・バードのSanaldのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.2
自分の高校生時代と比較して
「あったあった!」と共感できる点がある一方、
驚くこともあったりして、最後まで飽きずに見れる内容だった。

まず、アメリカの高校生は本当に進んでるなぁと。悪い言い方をすれば「おませ」な感じ。
女子で集まってリアルな、それもかなり進んだ下ネタを話すなんて、まだ早いだろ!笑って思っちゃう。

ただ、恋愛模様にはすごく共感できるところがあって。
好きな人の名前を書いたり、
積極的に話しかけに行ったり…
一つ一つの出来事にキュンキュンするんだよね。初めてキスしたときのうおーーーーー!!!っていう歓声は思わず一緒に声を出してしまった。
(ティモシー・シャラメ演じるカイルくんはそんなレディ・バードをうまく利用したんだけど)

一方で、女の友情も大切。
というかむしろ、今ここで女友達を大事にしないと後悔する。
一緒に若気の至りを経験して楽しめるのはこのときだけ。
だから、それに気づいたレディは偉い。

欲を言えば、ダニーがカミングアウトを悩む話がもう少し膨らめば良かったなぁと。彼との友情は中途半端な描かれ方で、急に最後「I'm missing you!」って親しげに話しかけてくるのはどうも違和感。

友情、恋愛だけでなく、家族模様が大事なポイント。
わたしも都会に出るにあたって両親の説得に苦労した経緯があり、さらに後押ししてくれたのが父だったので、すごく共感した。
そして、都会で出会った人と失敗したとき、かならず故郷を思い出すような場所に行ったり、両親に電話をかけて、なんとか自分を奮い立たせていた。
やりたいことがあるけど、一人でできない。親を頼らざるを得ないけど、親は過度に子供を心配する。互いの想いは衝突する。同性なら尚更…
でもきっと、あの親子も、大学卒業後には仲良くなれる。
親の言っていたことの真意は、時を経ないとわからないから。

新しい道を歩む人にも、
もう歩み始めた人にも、
見て欲しい映画。
自分を振り返るきっかけになると思う。
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