りょうた

母よ、のりょうたのレビュー・感想・評価

母よ、(2015年製作の映画)
3.9
映画監督のマルゲリータは思い通りにいかない仕事にストレスを抱えている。そして、プライベートでは母親の病状が悪化している。仕事とプライベートの両側から追い込まれてゆくマルゲリータだったが、小さなことから徐々に解放されてゆく。

マルゲリータの母はマルゲリータの娘リヴィアにラテン語の翻訳を教える際に、辞書の一つ目の単語を使わないようにと忠告する。それは一つの言葉の広がりを固定しないためだろう。一つの言葉には色々な側面があるように、人にも色々な側面がある。マルゲリータが頭を抱えていた俳優のバリーだが、辞書の一つ目の言葉で言うと、怠慢で傲慢なのかもしれない。だが、腹を割って話すにつれて、勤勉な側面があったり、お茶目な側面があったりする。単語がそうであるように、人間もしっかり向き合えば悪い面もあれば、良い面もある。新元号の「令和」の「令」も命令という側面があれば、「優れた」「立派な」などの意味もある。
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