LEONkei

トラッシュ(原題)のLEONkeiのレビュー・感想・評価

トラッシュ(原題)(1970年製作の映画)
3.7
人生は如何に自由に、そして観念的に堕落するか…。そこに自分は位していたい。


昔なにかの書物で読んだ〝アンディ・ウォーホール〟の言葉を思い出した『Think rich, look poor.(考えは豊かに、見た目は貧しく。)』、〝アンディ・ウォーホール〟製作『トラッシュ』は人間の欲望は普遍的で快楽と堕落はリサイクルされる。



例えば仕事もせずに酒にタバコにドラッグ漬けのジャンキー男が、1日中ふらふらと街を浮遊していたとしたら誰もがクズ人間と思うだろう。

男が居候する彼女はゴミ溜めから拾ってきた家具や服を荒れた部屋に集め生計を立て、勃たない男を横目にビール瓶を突っ込んで自ら慰める。

男にとってこれほど情けなく屈辱的なことはないが、虚ろなドラッグ中毒のジャンキーにとってはその感情すらない。

ドキュメンタリータッチな映像でニューヨークのスラム街で生きる男女を描いているが、何てことのない退屈な会話が永遠と続くも自分にはそれが何故か退屈にならない。

派手なドラマ性もストーリー性も必要ない、変化のない淡々とした映像は普遍的なもので自分は大好物。



クズはクズと共にしか生きられないのか、或いは世の中がクズ箱でその中でクズが生きているだけなのか…。

世間一般から見れば自業自得と思うだろうが、彼らは堕落による自由を手に入れている..★,
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