kohei

デスノート Light up the NEW worldのkoheiのレビュー・感想・評価

3.5
《後継者はオリジナルに勝てない》

さて、10年ぶりのデスノートの続編。
僕が子供の時に見て思い入れのある映画ランキング3位のデスノートの続編。
原作にはない新たなストーリーで綴られる続編。


「絶対おもしろくないな、薄っぺらさと二番煎じの極みだろうな」と思いながらもやっぱりちょっとは期待しながら見に行った。けど思った通りに酷かった(笑)酷い点は上げればキリがないので1つだけ。

それは、『デスノート』の根幹を成す"心理戦&頭脳戦"がほぼ見られなかったこと。頭脳がなければ劇中の言葉どうり「ノートは銃に勝つことはできず」あえてデスノートという作品にする必要はない。これが一番しんどかった。

だけどねぇ原作が凄すぎるんだよねやっぱり。大場つぐみという天才が創り出した話と同じものを作ろうと思っても不可能。だからまぁ予想どおりの酷さですよ。

この点が分かってても観に行こうと思ったのは10年前の映画『デスノート』に相当思い入れがあって、あの雰囲気をもう一度味わいたかったから。あの映画は松ケンのLだとか藤原竜也の月とか戸田恵梨香のミサミサとかのキャラクターが原作とも違う良さを発揮していたのが良かったと思う。

この映画もルックは良かった。特にLの後継者役の池松壮亮といろんな死神達の見た目がかっこいい。前作の登場人物が出てきたのを含めて雰囲気だけは継承されていたのではないだろうか。(まぁ前作も高い評価を受けてる訳じゃないからなんとも言えないけど。)

映画のはじめで「キラより面白いもの見せてあげる」、と"前作超える発言"をある人物が口にし、結局何も超えることはできず、エンドロール後では二番煎じを認めるような卑怯な発言で終わり、最終的に何がしたかったのか分からない映画だったけど、僕はなんだかんだ楽しめました。ただこの映画が世間的に認められることは絶対にない。僕みたいに10年前の映画に思い入れがある人じゃないと広い心で受け止められない、それほどに酷い映画だった(笑)
kohei

kohei