親友

ルームの親友のレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
1.5
映画でもレビューでもそうだが、一番大事なのは「何を」伝えたいか。
こんな中身のない「ガワ」だけの映画はなかなか無いんじゃないか。

おとぎ話のナレーションのように始まったこの映画は早々に履き違えてる。
この映画に必要なのはリアリティーだろう?
男の子の扱いはまるで空想上の生き物だ。
何を語らせてんねん、とツッコミも入れたくなる。

部屋での二人の様子は至って平凡。
湿っぽい音楽を外せばただの「セット」と「演者」。
取ってつけた親子喧嘩は精一杯考え抜いた末のものなのか。
この流れからの子供の奇声は殺意が湧くほど不愉快だった。

ジャンルがサスペンスになったところで雰囲気が変わる。
どうやら、監督の土俵はこっちだ。
でも、それは一瞬で。

脱出からの展開はひたすら不幸の押しつけで。
もっと外に出れた喜びや幸せを描く時間が合ってもいいじゃないって。

さて、ここからどうなるか…って思っていたら、
え?おわり?

完全なやっつけ仕事じゃないの。
この映画に監督の「思い」や「気持ち」なんてものはないよ。
もし、それを感じ取った人がいるのなら、それは元になった事件への想像。
または、その人の感受性や経験からくるもの。

「過去一薄っぺらいで賞」を贈呈。

他人の不幸は蜜の味ってね。現実はもっと悲惨よ。
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