くますけ

ルームのくますけのネタバレレビュー・内容・結末

ルーム(2015年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

小さな納屋のなかだけが人生の全て。
それはどんななんだろう。
とても想像ができない。

目の前に広がる青い空。雲。風。
小さな瞳が受け止めるその衝撃に鳥肌がたった。
世界がはじまった瞬間をみた。

ジャックが世界との距離を縮めていくのに対して、ママとの距離が遠くなっていくのが切ない。
7年間の監禁を経て叶って解放されたものの、外に出れば景色が変わる。
奪われたものが改めて目の前に突きつけられるし、愛する息子が憎い男の子供であることが心と体をバラバラにする。
誰も悪くないのに大切に思ってるのに傷つけあってしまうのは、誰もが傷ついているからなんだろう。

ラストにルームをもう一度訪れるシーンが前向きで、ふたりはきっと進んでいけると確信できるのがいい。
「ママもルームとさよならして。」

どのシーンをみても、ジャックと母親の絆の強さが感じられる。
台詞でも仕草でもなく、心がしっかり繋がっているのが目に見えるようだ。
本物の母子にも負けないその絆を演じきった彼らに心からの拍手を。
くますけ

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