…つらい…。
公開初日に見てまだ感想をまとめられないでいる。
脱出、というある種クライマックスを早めに出してきたところであとへ続くのは、世界との出会いや周囲との対話なんだけど、それ以上にジョイの戸惑いや苛立ち、やるせなさが重く響いている。
もちろん映画である以上ポジティブなメッセージを残さなくてはいけないから、希望のあるラストを見せてくれたんだけど、失われた7年を想うとどうしても埋められないんじゃないのって絶望的な気持ちにもなってしまう。
この時に思い出すのが光市の事件で死刑判決が出た時に被害者のお父さんが言っていた「この事件に勝者はいない、巻き込まれた時点で全員が敗者なんだ」という主旨の言葉。
これからジョイもジャックも明るく強く生きていってと願わずにはいられないけど、どれだけの幸せに出会っても痛みは消えない、共生していかなきゃいけないんだと思うと、巻き込まれた時点で運命が決まってしまう残酷さに頭を抱えている。
5歳になったジャックにまだ授乳してるのは、生理が来ないようにするため?でも17歳で人生を止められてしまった彼女にそこまでの知識はあったのか?(当たり前だけどネットなんてできないんだし)とか考えれば考えるほどしんどくなってしまって、とても「好き」な映画には入れられない、入れてはいけないと思うんだけど、ジャックが初めて本物の空を見たときの瞳の美しさに泣くことしかできなかった。
何だかちょっと忘れられない映画になってしまったよ。