サンタムール

ルームのサンタムールのネタバレレビュー・内容・結末

ルーム(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

これは、予想していたのと違った作品でしたが、胸にグッとくる親子の物語でした。
内容が拉致監禁された女性が犯人から妊娠させられて、出産した子供が5才になった頃、脱出するっていう。

予告編から、脱出劇がメインかと思ってたんです。
ところがどっこい、脱出前と脱出後の親子の愛の物語でした。

脱出前の母親は、完璧に母親でした。
目はちょっと怖いし、監禁男の言いなりではあったけど、息子への栄養やストレッチ、歌やダンスなど愛情たっぷりにみえました。

狭い監禁部屋で息苦しいほどの濃い、親子愛。
脱出劇はもうハラハラドキドキ感半端なかった!
少年が初めて見上げる空の青さに泣けました。

トラックから降りて、男から逃げるシーンなんて、アワアワ❗

脱出後の、母親の描き方がまた秀逸。7年間の監禁生活で受けた精神的な傷の深さと、失った時間。

レイプされて生まれた子供に何の罪も無いわけだけど、周りの目とか、外の世界での母親として出来ることとか。。。

いきなり、スイッチの切り替えなんてできませんよね。人間だもの。脱出後の母親の弱々しさが、痛々しい。

対照的に脱出してからの息子は、やはり大人と違って柔軟に世界に馴染んでいきます。この、少年の天使っぷりといったらもう❗❗

子供って癒しなんです。
少年が髪の毛を切ってくれたお祖母ちゃんに"お祖母ちゃん、大好き"っていうシーンなんてもう感涙。
私の子供達もまだ"お母さん、大好き❗"と
口に出して言ってくれるんですが、その言葉にどれだけ癒しのパワーのあることか!いろいろあるけどやっぱり子供を産んで良かったと実感するんだよな。

親子愛って、親からの愛情ばかり目がいきがちだけど、子供からの親への愛情の美しさ。尊いものですね。

少年役の、ジェイコブ・トレンブレイ君の演技の巧さ。先が楽しみです。麻薬とか、お酒とか、太りすぎに気をつけて欲しいと思います(..)
着地点も、希望の光がさしてて、良かったです。
サンタムール

サンタムール