低級国民

ガールズ&パンツァー 劇場版の低級国民のレビュー・感想・評価

4.8
一部で議論になっている様に、じっくりと観察してみると社会学的、殊にジェンダー論に関する様々な(意図せざる)メタファーを含んでいるなあ、と感じた作品でした。
細かい説明は飛ばしますが(とにかく鑑賞すれば解ります)、『失われた20年』の中心世代であり、不確実性を増す日本社会の中で、生き辛さを感じつつ日々生活を送る『ガルパンおじさん』たちは、(例えそれが現実では叶わないとしても)自分たちを受け入れて欲しい、理解して欲しい…といった切なくもプリミティブな願望を、無意識的な形でこの作品に託したのではないでしょうか。
ラストの戦車戦では我を忘れ、心の中で『頑張れー!頑張れー!負けるなー!』と画面に向かってエールを送り続けていた訳ですが、それは『美少女戦車道アニメ』というプリズムを通した、現代日本を辛くも懸命に生きる『ガルパンおじさん』へのエールであったのかもしれません。

齢19の若輩者である私が、この作品(と『ガルパンおじさん』)に関する自分勝手な解釈を長々と述べてしまいましたが、内容について細かく説明することはもはや何も無いでしょう。

ガルパンおじさんに幸あれ。

ガルパンはいいぞ。
低級国民

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