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ザ・ダンサーのcardamonのレビュー・感想・評価

ザ・ダンサー(2016年製作の映画)
3.0
モダンダンスの先駆者であるロイ・フラーの物語。彼女の事は全く知らなかったのでwikiで調べたが、本作はかなり脚色された部分が目立つ。特に安易に恋愛要素を盛り込んだのには疑問しかない。相手の伯爵は架空の人物であり、描き方も曖昧だ。フラーの人物像までもが揺らいでしまった感がある。何処までも彼女の追求する芸術と進化が見たかったのに……

中盤登場するイサドラ・ダンカン、演じるのはジョニー・デップの娘のリリー=ローズ・デップ。小悪魔的容姿が魅力だが、ダンカン役としては力不足を感じた。作中では彼女の存在がフラーの自信を喪失させる要因になっているが、果たしてそれ程の才能か?と思わせた。話題性より寧ろダンスの技術で起用すべきだったのではないか。

フラーのダンスは画期的で尚且つ美しい。彼女が考案した演出も斬新だ。しかし映画としての出来はと言うと……残念ながら凡庸だと思った。
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