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パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニストのcardamonのレビュー・感想・評価

3.2
1800年代当時、パガニーニの音楽は時代の先を行き過ぎていて、大衆からは理解されなかった。そこにウルバーニという男が現れ、彼をマネージメントする。たちまち才能が開花し、天才と持て囃され始めるが、一方でギャンブル好き女好き、更にはだらしない性格で自堕落な生活を送る。所謂、破滅型天才の典型。

イギリスへの演奏旅行で、指揮者の家に滞在するが、娘のシャーロットに恋をする。パガニーニの醜聞を知っていた彼女は最初は塩対応するものの、彼の演奏を聴いて恋に落ちる(まあ、あの演奏を聴いたら分からないでもない)。パガニーニの演奏会は大成功を収めるが、2人の恋をウルバーニが阻む。これは正解だと思った。才能に溢れ魅力的だが、何れ彼女を不幸にするのは目に見えている。

悲恋の物語だが、シャーロットはそれを糧にして先に進む賢さと逞しさがある。一方のパガニーニは……

ストーリー的には中弛み感があったが、音楽は聴かせた。パガニーニを演じるデヴィッド・ギャレットはビジュアルも演奏も素晴らしい。演奏中に会場の女性が失神するシーンがあるが、納得!溢れる色気が眩しい。そしてシャーロットの為に作ったアリアを彼女が歌い、パガニーニがバイオリンで奏でるシーンは、ひたすら美しく、胸が熱くなった。
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