『愛しい人に、”ありがとう”と言っていますか?』
ブルックリンの街を一望できるアパートメントの最上階。
眺めのいいアトリエと、屋上には菜園…
画家のアレックスと愛妻ルースがこの理想的な部屋に住んで40年が経った。
しかし、この建物にはひとつだけ欠点がある。
それは、エレベーターが無いこと。
夫婦として幸せに暮らすために必要なものとは一体何でしょう。
子供?
安定した収入?
ピッタリな価値観?
それとも、老後も暮らせるエレベーターのあるお家?
わたしが思うに、これらはあくまであった方が良いもの、あった方が楽に生きていけるものであり、アレックスとルースは上記のどれも持っていません。
では何が2人を幸せにしたのでしょう?
私は、”思いやる心”じゃないかなぁと密かに考えています。
ここでいう思いやりは、ただの優しさではありません。
たった一人、特別な人だけに向ける、とっても、とーーっても特別な思いやりです。
自分の幸せより相手の幸せを願えるような、深い深い”愛”のことです。
アレックスとルースはいつだってお互いに助け合い、敬い合い、労うことを忘れない。
40年という長い月日…健やかなるときも病めるときもの誓いを大事にしながら歩んできたことが、2人の空気感から伝わってきます。
その道は決して、楽しいことばかりではなかったはずです。
結婚から出産から老後まで、幾度となく選択を迫られるシーンがあり、そんな時彼等は決まって相手の気持ちを優先した決断を下す。
そして大切な人の宝物も、とことん大事に扱うのです。
そんな彼らを見ていると、悲しいわけでもないのに無性に泣きたくなってしまって…
贅沢じゃなくてもいい、身を粉にして大切にできるものが一つでもあれば、人生は絶対に愛おしくなる。
私もいつか愛する人と、二人の宝物をたくさん詰めた部屋でわんちゃんを飼いたいです。