MiYA

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のMiYAのレビュー・感想・評価

3.8
とても見応えのあるドラマでした。往時のハリウッドの俳優や監督が登場し、映画史のトリビアを知る、大変貴重な機会となりました。

でも何が凄いって、映画界から追放されたにも関わらず、変名で脚本を書いて2度もオスカーを獲ってしまうという、トランボの圧倒的な才能。「ローマの休日」を書いたのも彼だったとは。

彼の才能を認め、「スパルタカス」で彼を起用して、世論を逆転させたカーク・ダグラスの振る舞いは素晴らしい。それに引き換え、ジョン・ウェインはクソだな。とにかくトランボの名誉が回復されて良かった!

それにしても、共産主義者が政府を転覆しようとしているとして世論を扇動する様子は、大量破壊兵器を隠しているとしてイラク戦争に突入していくアメリカの姿と重なります。もちろんそんなものは陰謀に過ぎず。歴史がその誤りを証明するわけですが、失われて戻らないものもあるわけで…。

NHK BS「プレミアム・シネマ」にて。
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