トランボ ハリウッドに最も嫌われた男の作品情報・感想・評価

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」に投稿された感想・評価

この映画と山本おさむのマンガ『赤狩り』はワンセットで読むべし!
TAKA

TAKAの感想・評価

3.3
ローマの休日はトランボさんの脚本だったのか…知らないことが多くて、こういう作品で知ることができて良かった。

あるドラマでメタンフェタミン(覚せい剤)を作ってた男が、アンフェタミン(ほぼ同じ性質の覚せい剤)を飲んで脚本を書いてるのは皮肉だ。
ローマの休日をはじめとする傑作を世に送り出した脚本家、ダルトントランボを描く伝記映画。こういう映画がもっと世に出て注目されるべき。

主演はブライアンクランストン。
ブレイキングバッドにてスターとなった男が映画で主演。キャリア序盤はテレビにて多く活躍。ブレイキングバッドあたりから映画でも話題作に出演。リトルミスサンシャインやリンカーン弁護士、ドライヴ、アルゴなど秀作に関わる。本作ではオスカー初ノミネートも達成。エミー賞の常連がついにオスカーラインに食い込んできたか。
応援したいところ。

バスタブのシーンはおもろい。
コメディ要素も派手なシーンも、ほぼないに等しいが観るべき映画だと思う。
映画ファンなら、なおさらこういう歴史は知っておいて損はないしファンとしてこの物語を留めておくことは大切ではないだろうか。こういう題材の映画も必要なのは間違いない。
大根仁がインスタグラムで好きな映画って言っててみたくなった、いつみるんかな
友達にわかりやすく紹介するなら
「『ローマの休日』を書いた脚本家のお話。お酒を飲みながらくわえタバコでタイプライターを打つ姿がカッコいい映画」
とまず説明する。

そこから背景に思想の自由に対する闘争や家族の絆が描かれていることを語っていきたい。

タイプライターに向かう姿がただの画としてカッコいいわけではなく、その背景にあるトランボの信念や生き方がここに行き着くまでに描かれているからこそ、かっこよく見える。
なので、トランボが喧嘩して娘に怒鳴っているシーン、バスルームで脚本を書いている姿はたるんだ身体のかっこ悪いおじさんだ。全部が全部かっこいいわけではない。

冷戦時代、アメリカでは共産主義思想を持つ人を危険視する風潮が高まっていて、トランボは不当な裁判で投獄される。
出所後彼は仕事のない状態に追い詰められ、友人に一本の脚本を持ち込む。
それが『ローマの休日』

トランボは家族は妻と3人の子供を養うために数々の脚本を書く。
あるときは友人の名前を借りて、いくつもの偽名を使って、B級映画の脚本を書いていた時代は週7日、1日16時間かけて。
書くことがトランボの才能であり、状況を打破する武器だと彼は考えていたし、長い年月はかかったが実際にそうなる。

作中に出てくるセリフは脚本家なだけあってどれも真に迫っている。それでいて美しい。

トランボが出所後に引っ越した先では隣人から「裏切り者」と書いた手紙、プールには動物の死骸を投げ込まれる。
そんなときでも「世界には無知で怒りに満ちた人間が増えている」とだけ言い、家族に団結しようとを伝えた。

この映画を見ていて思い出させられたことがある。
今年、全米脚本家組合に所属する7000人以上の脚本家が一斉にエージェントを解雇した。
エージェントが特定の製作会社と結びついたり、プロデューサーのような役割をする業界の体制改善への訴えだ。

ただ作品を書くだけでなく、より良い自由のために闘う。アメリカらしいと思うし、小気味よい。
脚本家に限った話ではないが、ハリウッドはトランボのような人たちに今日まで支えられて生き残っている。
6月7日、今日でFilmarksを始めてまる1年が経ちました✨😄

折角の一年生卒業レビューなので、
数々の名作映画の脚本を手掛けた人の人生のストーリー。
"トランボ ハリウッドに最も嫌われた男"を選んでみました❣️


"ダルトン・トランボ"は言わずも知れたハリウッドきっての優秀な脚本家。

ハリウッド10と呼ばれる程の実力を持ち数々の作品を手掛けるも、
ソ連との冷戦時代の為赤狩りでブラック・リスト入りをし、
裁判の末、拘留されてしまいます。

出所後、"ロバート・リッチ"と名を偽り、B級映画会社の仕事を安価で引き受けますが、
100ページを3日で仕上げ、週7日、1日18時間と言う膨大な仕事量に流石のトランボも手が回らなくなって行きます。

そこで考えたのが、
トランボが仕事の依頼を受け、脚本家に回し、
彼等に書かせたものを吟味して手直しをすると言うもの。
そして、家を単なる職場では無く家族を巻き込んでの会社へと作り替える事でした。

彼が仲間に招き入れたメンバーは、
"イアン・M・ハンター "
"アルヴァ・ベッシー"
"エイドリアン・スコット"
"アーレン・ハード"
"リング・ラードナー・Jr"
"アルバート・マルツ"
以上の6名、何もアカデミー賞候補に挙がった優秀な脚本家ばかりでした。

ヘッダ・ホッパー、スティーブ・マックイーンを筆頭に、
民主主義を振りかざしブラック・リストの作成に加担する委員会が、幾度もトランボの前に立ちはだかります。
ですが、トランボ達脚本家の勢いは衰えるどころか益々勢い付き、
トランボの書いた『黒い牡牛』が遂にはアカデミー賞を受賞すると言う快挙を成し遂げます…。


数々の有名な作品や俳優さんが登場し映画ファンならそれだけでもかなり熱いと思いますが、
実際の映画フィルムが流れたりもするので見応えもあり心が踊ります。

グレゴリー・ペック、 スティーブ・マックイーン、 カーク・ダグラス、 ハンフリー・ボガート、ダニー・ケイ等の名前や画像が流れたり、
映画のシーンも、
スパルタカス、ローマの休日、黒い牡牛などのシーンも流れます。


『ローマの休日』は、トランボが名前を伏せて "王女と無骨者"と言うタイトルで書き、
友人の名前で発表をして貰いアカデミー賞を取った何年もの後にトランボ著と世間に明かした映画です。

『黒い牡牛』も更にアカデミー賞を受賞し、
更にはカンヌ映画祭で審査員特別グランプリなど3つの賞を『ジョニーは戦場に行った』が取ると言う快挙を成し遂げています。

有名な作品としては、キューブリック監督、カーク・ダグラス主演の『スパルタカス』や、
ポール・ニューマン主演の『栄光への脱出』、
スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンの『パピヨン』も手掛けています。

他にも
「ジョーという名の男 A Guy Named Joe」
「東京上空三十秒 Thirty Second Over Tokyo」
「素晴らしき哉、人生!It's A Wonderful Life」
「ダラスの熱い日 Executive Action」

などなど…挙げきれない程沢山の作品に携わっています。
(中には、ロバート・リッチで携わった作品も多数あります)


黒い牡牛で賞を受賞した数年後に、
"ブラックリスト"と言う"実態無きリストの恐怖"は去り、言論の自由が保障されますが、
プロパガンダ的背景によって支配され、
多くの人が犠牲になり命を落としたり才能を潰された哀しい事実は変えられません。

それでもトランボ達の様な余りある才能を歴史の渦に葬り去られなくて本当に良かったと一映画ファンとして感謝しています。


主義主張の違いはあれど、"人権"や"表現の自由"をプロパカンダを理由に奪ってならない、と感じました。

劇中トランボの言葉で
『世界には無知で怒りに満ちた人が沢山いる』
とありましたが、
いつの時代もプロパカンダや噂に流されてしまう人々が溢れていますが、
せめて、私達は人に流されること無く自分で考え、自分の意思で動ける人でありたいですね♪😊


長くなりましたが、
皆さんのお陰で、なんとかフィルマ1年生を無事終える事が出来ました♪

皆さんからの沢山の"いーね"や"フォロー"、暖かいコメントが力になり、
レビューを書く励みにさせて貰っています。

ありがとうございます💓

来年の今日、2周年レビューが上げれる様頑張りたいと思いますので、
今後も仲良くして頂けると嬉しいです😆
どうぞよろしくお願いします🌟
はった

はったの感想・評価

4.5
かなり昔の話のような気がしますが、ほんの少し前の話なんですね。
人権とか思想とか、自由の国のはずが随分と窮屈な話です。
自由とは時に残酷なものなのかもしれません。信念を貫き、家族に支えられ生きた男の生涯。
tori

toriの感想・評価

4.5
公開時に観たときも面白かったのだが
その後ハリウッドに行ったり、アカデミー賞受賞式を本気で観たり、脚本家について興味が出たり、「グッドナイト・グッドラック」を観直したり、冷戦についてかじったりしたので今回は100倍位楽しめた

映画作りの内幕、「ローマの休日」のあのシーン、「アルゴ」を彷彿とさせるB級映画プロデューサーのジョン・グッドマン等
目がハートテンコ盛りシネフィル映画

おまけ
当時俳優だったレーガンとともに髪ふさふさのニクソン君がちらり
大統領になる20年以上前に赤狩り推進派の悪役におさまっていたとは
栴檀は双葉より芳し
あらすじだけを見て、右とか左とか赤とか思ったら時期尚早。
まずは見てほしい。

辛く暗い時代、そうせざるを得なかった脚本家の自伝。
でも、単なる自伝としてではなく人間ドラマとして面白かった。
自分の名を売りたがる人は多かれど、自分の名を表に出せない苦しみに耐え忍ぶ人はそうそういない。

人は、誰か敵を作ることで自分を正当化させる。
時代は違えど、現在でも、人々の心の中にこういう見えないリストが、存在するのではないだろうか。

でも、苦難を乗り越えるのは、反論ではない。
彼の生き方を通して学んだ。
SNSで簡単に反論できる世界になったから尚更。
相手を黙らせるには、物言わせない仕事の質、それを持続する事だけ。

名脚本家の自伝映画ではあるが、この映画自体が映画愛にあふれる、すばらしい脚本だった。
暗く辛い日々でも、そう描かないところに、この映画のすごさがある。
まあでも、若い人が見るには、ちょっと難しく地味な映画かな。
自分が苦境に立っている最中に見れば、また違った見え方があって、勇気も湧くかも。
この邦題の副題はちょっとないね・・・その補足はいらなかった(笑)
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