トランボ ハリウッドに最も嫌われた男の作品情報・感想・評価・動画配信

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」に投稿された感想・評価

take

takeの感想・評価

3.0
不屈の脚本家トランボ。
ローマの休日の真の作者。

赤狩りを受けながらも、匿名で脚本を書き続ける。
そして、奴隷剣闘士の反乱を描く、大作スパルタカスを書き上げる。
(剣闘士役のカーク・ダグラスが子供のように小柄なのは、年少者の象徴では)

トランボは言う。
「ブラックリストは悪の時代でした。
 誰もが追い込まれ、意に反したことを言わされ、やらされたからです。」

共産主義者を調べる非米活動委員会を指して、
「なぜ彼らを調べるものがいないのか」

その一方、語る理由をこう言います。
「誰かを傷つけるためではない。傷を修復するため。」

現代でも、言葉狩りやヘイトスピーチといった問題が生じ得ます。
どう立ち向かうのか、この映画から学べるところがあるかもしれません。

ダイアン・レインとエル・ファニングの美しさも印象的。
2015年のジェイ・ローチ監督作品。
いやあ、素晴らしい映画だった。ジョン・ウェインや、『打撃王』『誰が為に鐘は鳴る』のサム・ウッド監督など自分の大好きな映画人が、赤狩りの最前線で仲間を非難して追い込む姿が悲しかったね。映画に命を懸けてる人たちの思い、とりわけダルトン・トランボの人となりが十分伝わった。

友人の裏切り、仕事仲間との友情、家族とのわだかまりの苦悩と葛藤を、一切だれることなく描き切った手腕は見事だと思う。ラストのスピーチが本当に素晴らしい。でも、彼の共産主義者としての信条をもっと掘り下げてほしかったかな。

2日前に見た『黒い牡牛』のエピソードも見ることができて満足。そして自分の中でカーク・ダグラスの株がめっちゃ上がった。かっこいいなあ。
simon

simonの感想・評価

4.0
とても良かった
ハリウッドの赤狩り映画というと真実の瞬間、マジェスティックを思い出すけどこれが一番当時の状況を克明に描いているのかなと
知らないことだらけだった。
第2次世界大戦後に赤狩りと呼ばれる共産主義者を弾圧する動きがアメリカ国内で猛威を奮っていたことや、ローマの休日の脚本家が共産主義者である為ハリウッドから追放され正体を隠し脚本を書いてたなんて。
超一流脚本家の自分が脚本した作品がアカデミー賞を受賞したのに他の人がトロフィーを受けとるなんて屈辱だろうなあ。それでも自分の信念を曲げず家族と共にに戦うトランボかっこいい。
でもなんかあんまり心には突き刺さらなかった。なんでだろ。
torakoa

torakoaの感想・評価

3.9
赤狩りのあった時代、アカだとして仕事を失い別名義で脚本書き続けて二度アカデミー賞穫った実在の人物の話。
名前を隠して仕事できてる主人公のようにはいかないんだと俳優が言う。金のために信念を曲げ権力に屈したとか責められた主人公が、同じようなことを言って責める。この辺がうまい説明だなと思った。それぞれ苦境に追い込まれた中で、主人公は選び得る選択肢が多かっただけかもしれない。理想はこの際置いといて着実にこなしていった現実的な行動が地味に効いて現状打破に繋がったのは主人公の努力の賜物なんだけど。
で、北風と太陽の話を思い出した。友人はガチガチで方法論が違うけど目指すところは同じだったんだろう。脚本みたいな言い回しすんなとか言われるとこ、言葉の壁で実感としてはわからないけど面白いと思った。

これ邦題のサブタイトルみたいなの誇大広告的でおかしい。凄く萎えるしいい加減にしたほうがいいと思う。お客さんに嫌われるぞー(空耳アワーより)。ラノベとかやたら長いタイトル流行ってるぽいのと関係あるんだろうか。

ブライアン・クランストンはいい俳優だなーと見る度思う。鳥となかよしなの微笑ましかった。かわいいなあ。鳥も。
『ロックユー』の人が脚本家仲間にいた。『タッカーとデイル』のほうが通りがいいのか。
Bruce Alexander Cookが書いた原作
"Dalton Trumbo"を、John McNamaraが脚色、Bombshell (2019) のJay Roachが監督した伝記映画。

華やかなハリウッドの黒歴史を見事に暴いてみせた快作。そして物書きの裏側を垣間見れるのは励みになる。

ダルトン・トランボを演じたのはブレイキング・バッドシリーズのブライアン・クランストン。これが渋くてとてもカッコイイ。そして40年代、50年代のクラッシックスタイルのファッションも参考になる。

奥様を演じるのはダイアン・レイン。若かりし日の"The Outsiders"や"Rumble Fish"でも美しさが尋常じゃなかったが、お年を召されても変わらぬ美しさに驚く。

さらに長女には妖精や天使の可憐さをもつエル・ファニング。しかし、中盤にならないと出番がないのが残念。

シナリオ採録

○馬がいる広大な敷地


「ダディ!共産主義者なの?」

トランボ
「そうだよ」


「違法なの?」

トランボ
「いいや…」


「帽子の女の人がパパは"危険な過激派だ"って…ホント?」

トランボ
「過激派ではあるかもな…だが危険なのはコーラをかける奴にだけだ。パパは国を愛してる。いい政府だ。だが、どんなものでも改善できる」


「ママも共産主義者?」

トランボ
「違う」


「私は?」

トランボ
「どうかな…テストしてみよう。好物の弁当は?」


「ハムチーズ」

トランボ
「ハムチーズを学校に持って行った日に弁当のない子がいたら?」


「分ける」

トランボ
「分ける?働きに行けと言わないのか?」


「言わない」

トランボ
「金を貸すのか…利息6%で…」


「ダディ…」

トランボ
「知らんぷりするのか」


「違うよ」

トランボ
「おやおや…ちびっこ共産主義者だな」


このやり取り痺れるね。
まだまだ小さい娘に対して、具体的な例を出して、自分で考えさせる。こういう教育スタイルを日本は持っていない。上からアタマごなしに否定するか、従わせるように言い聞かせるか…
自らの頭で考えさせるようにもっていかなければ、子どもにとって良くないと思う。これはスポーツでも勉強でも、思想でも…。親が決めつけるようなことはしてはならない。


○豪勢な部屋

トランボ
「よく知らない人を悪と決めつけるな」

これもよくあること。知りもしないのに、自分の乏しい知識と勝手な先入観で、こうだと決めつける奴が余りにも多い。それが無知からきてるという自覚もない。ものすごい恥ずかしいし、かわいそうである。こういう輩とは議論の余地もないのが非常に辛いところ。
学ぼうという意欲がないからだ。アイツもそう、アイツもそう、次から次へと何人も頭に浮かぶ。



○非米活動員会での証言

質問者
「真実のみを語ることを誓いますか?」

トランボ
「誓います」

質問者
「いまから一連の質問をします。"はい"か"いいえ"でお答えを」

トランボ
「そう答えたければ、そうしますが、自分の言葉で答えます。"はい"か"いいえ"で答えるのはバカか奴隷だ!」

(ここで奴隷と使うということは、トランボ自身も差別的だったということか…奴隷という発言を本人が使ったのか、台詞として書いたのか、どちらか知らないが、ここに違和感がある。なにか気持ち悪いんだよな…)

質問者
「質問にこたえないつもりですか?」

トランボ
「どの質問にも答えますよ」

質問者
「キミは共産党員か、かつてそうでしたか?」

トランボ
「根拠の提示を…」

質問者
「結構だ」

トランボ
「あなたは私の脚本で共産党員と判断している」

質問者
「聞きなさい!キミの脚本は長すぎる」

トランボ
「よく言われる」

質問者
「キミは共産党員か、かつてそうでしたか?」

トランボ
「私を罪に問う気か?」

質問者
「答えを!」

トランボ
「もしそうなら、質問を裏付ける証拠を提示すべきだ。ぜひ証拠を見たい」

質問者
「そうか!すぐに見せよう!退席を!」

トランボ
「この委員会は宣誓を強いている。思考を罪と見なしてる。だが、そんな権利は存在しない!存在するなら世も末だ!これは強制収容所の始まりだ!」


安倍批判のヤジをとばしただけで、多くの捜査員に取り囲まれ、連れて行かれた人々の映像は記憶に新しい。まさに、この台詞そのものじゃないか…

思考を罪と見なすことに、是か否か境界線が難しいのは、「障害者を皆殺しにすべきだ」という発言をしていた男が、実際に犯行を及んだ戦後最大の死傷者数の相模原障害者施設殺傷事件だ。これをどう見たらいいのか…思考を罪と見なす権利なんてない、それは強制収容所の始まりだということに同調したいが、U被告の思考には何の罪もないのか…どうなんだ?彼は自分の思考を、そのままに突っ走って行動に及んだ。では、その思考は罪なのではないか…わからない。そう思っただけで、行動に移さなければ…?思うのは自由…なのか?思いは行動にいずれ現れるのではないのか?それなら思考も罪とするべきなのか…

SNSでの誹謗中傷問題を解決するべく、政府が個人の思考に介入しようと企む。これは思考を罪と見なし始めているということだろう。

線引きは非常に曖昧で難しい…
だからこそ多くの議論や見解を交わし合わなくてはいけないのではないのか?SNSすら理解できないジジイ共に政治利用されていいはずない。
もっともっと若い人たちが議論の中心に立たなければ、良くはならない!



○ラジオ

「ルシル・ボールです。合衆国憲法は守られるべきです。考えの違う人を黙らせるのではなく、言論の自由のために闘うのです。ひとつの自由が消えれば他の自由も弱まります。1本の柱が倒れると家ごと傾くように…」

この台詞は芯を捉えている。
胸が熱くなり、姿勢を律する。
この気持ちを多くの人に持ってほしい。
でなきゃ、知らず知らずのうちに日本は戦前の二の舞いになる。


○都会に引っ越した家

トランボ
「世界には大勢いるんだ。無知で怒りに満ちた人々がな…いまもどんどん増えている。家族としてできることは団結することだ」

その通り。バッタ並に増えている。


○仕事部屋
オットー・プレミンジャー監督と…

トランボ
「どのシーンも素晴らしいと映画は単調になる」

オットー
「こうしよう…君は全場面を素晴らしく書き、私が演出でメリハリをつける」
TP

TPの感想・評価

4.5
 トランボの映画といえば監督した問題作「ジョニーは戦場に行った」が私にとってはまず頭に思い浮かぶのだが、名前を隠してアカデミー脚本賞を受賞した作品として、かの「ローマの休日」と「黒い牡牛」がある。
 そんな超一流の脚本家が、不遇の時代をのり越え、自らの信念を曲げずに、自分の才能で映画界に返り咲いたという実話に感嘆する。

 その裏には家族からの信頼と支えがあったこと(映画のエンディングに出てくる、実際に多数残された家族のポートレートからもうかがい知れる)、多くの仲間の信用と裏切りを経てきたことによる、人間同士の絆の深さにも魂を揺さぶられる。

 映画の中には、ジョン・ウェインやカーク・ダグラス、エドワード・G・ロビンソンといった有名俳優が重要な役どころで出てくるし、映画関係のエピソードも多彩で、昔からの映画好きの人間にはたまらない内容である。
 俳優も、主人公を演じたクランストンは全く地味なTV主体の俳優であるがいい演技を見せているし、我々世代ではかつてのスクリーン・アイドルだったダイアン・レインが美しい妻役として魅力的だし、ヘレン・ミレンは本当に憎らしいし、エル・ファニングはかわいいし、派手な配役ではないものの、とても魅力的な俳優陣も映画をより愛すべきものにしている。
小次郎

小次郎の感想・評価

4.1
自由な国とは。まあ、時代背景的に仕方ないのかね?
普通に飽きずに面白く見れました🙆‍♂️
Kio

Kioの感想・評価

3.7
この邦題サブタイトルは要らないですね。
天才脚本家としての部分を主にフォーカスしていたので、尺的には難しいかもしれないですが政治的な信条の描写をもう少し欲しかった気が。
ヘレンミレンの憎たらしさ全開の演技が良かったです。
Nao

Naoの感想・評価

3.5
赤狩りで弾圧された脚本家トランボの生涯を描く。『ローマの休日』や『スパルタカス』など。制作当時の裏側と同時に脚本に込められた真意も垣間見れて面白い。
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