卓爾さん、嵐電は好きだったし、ゾンもまあまあ好きなんだけど、これはちょっとダメだったなぁー……
まあのちに繋がる実験の初期段階としては。最初に観たら面白く感じられたのかもしれないけどリアルタイムで観なかったらもう期限切れって感じ。
ちゃんと脚本を書いて欲しい。全編エチュードで作ったんです、みたいな映画を基本的にあまり信用していない。
映画って、どう上手く嘘をつくかってことだと思うんだけど、「これは映画ですよ」っていうエクスキューズというか、メタな視点を持ち込んで、嘘という構造をぶっ壊している本作は、結果的にやっぱり上滑り感が出てしまっていて、試みとしては失敗してると思う。
「嘘なんで」って言われると全部茶番に感じてしまうというか。真に迫らない。だから映画なんて全部本当は茶番なんだけど、それをどう茶番に見せないかに皆、苦心してるわけだからなぁ。
あと演技が、どこがどうだからそうとは言い切れないんだけど、演劇っぽい。舞台みたい。でも映画だから、映画の演技をして欲しい。それにこれも、「嘘ですよ」って言われていることで、嘘っぽい演技、ヘタうま演技みたいなのも、狙ってやってますよ、みたいに取れるでしょ?みたいなセコい魂胆なんじゃないかと思えてきて、ズルいなと感じてしまった。
面白くはなかったけど、映画って何、ってことに想いを馳せざるを得ない映画ではあった。
【一番好きなシーン】
最後の方、結果的に皆で列になってジョギングすることになるところはちょっと面白かった。