これは際どい作品だろうなあと覚悟を決めて鑑賞したけれど、反射的に笑ってしまうようなシーンが心地よいペースでぶち込まれるので思ったよりは肩の力を抜いて鑑賞できた。
……………というのは前半まで。後半も笑えるシーンは変わらず挟まれるが、同時にヒトラーという人物を通して現代社会に対する警鐘とも言えるメッセージを投げかけてくるので、徐々にゾッとする瞬間が増えてきます。30〜40年代のドイツやヒトラーの帰ってきてしまった作中のドイツだけではない。現代のあらゆる場所があのような状況を生み出すリスクを孕んだ土壌なんだよな〜と。
ギリギリの、というかもはやアウトとも言える設定だけれど、それを活かし他の作品にはできないようなことを成し遂げている作品だと感じたし、だからこそ多くの人に評価されているんだろうなーと思う。すごいバランス感覚…。
