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帰ってきたヒトラーの映画を観るRのネタバレレビュー・内容・結末

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ヒトラーは“普通の人々”に選ばれたのだという事実をあらためて突き付けられる作品。
ドイツですらこんなにも綱渡りなのだということに衝撃を受けた。
日本にも選民思想、優生思想を持った国民はたくさんいる。ドイツのように厳しい自戒をしていないぶん、ドイツよりも簡単に失敗し得るだろう。過去の戦争で日本がやったことを正当化する動きもますます活発になっている。民放も公共放送も政府のプロパガンダに加担している。
「今が好機だ」という最後のセリフが重く突き刺さる。
劇中では「本物のアドルフ・ヒトラーが2014年にタイムスリップしてきた」という設定だが、現実には“彼”はタイムスリップしてくるのではない。“本物のヒトラー”はいつでも再来しうる。
“彼”を“本物のヒトラー”にするのは必ず民衆なのだ。だから私たちは、“彼”に中指を立て続けなければならない。
“ヒトラー”は常に我々の中にある。
これはコメディではない。