このレビューはネタバレを含みます
面白い(?)かった。ヒットラーがタイムトラベルして現代にやってきて、トップコメディアンになってしまうっていう突拍子もないストーリーだが近年の世界情勢を見ると復活したヒトラーがいないのに行き先は同じだ。中盤鋭い風刺、皮肉にゲラゲラ笑っていたのに終盤は真顔になってしまう。そして度々挿入されるの一般のドイツ人や政界のボスのアドリブが現実味を深め、また作品内で作成される映画とこの映画がシンクロし、なんか現実で何がフェイクなのかわからなくなってしまうのは、ヒトラーが得意とした演説を聞いているようだ。
エレベーターの中で詰められたザヴァツキにいうセリフ「自分は選ばれたのだ。」そう。あの時、国民は選んだのだ、彼を。
2015年に作成されたこの作品。10年間でドイツはAfDが躍進し、難民問題も深刻化し、世界では戦争が起こっている。もしかして本当にヒトラーは復活しているかもしれない。自分たちの知らない所で、もしかし自分たちの心の中で。