絶対映画館で観たいと思っていてまだ上映している映画館を必死で探して観てきました。
原作を読んでから鑑賞するはずが間に合わず映画を先に観ることに。
おもしろかった!と言っていいのでしょうか。
1945年に亡くなったはずのヒトラーが
2014年の現代に甦る。
再びヒトラーが人前で演説を繰り広げるとき、人々はどうするのか。
あの時代にあれだけの影響力を持ったヒトラーが現代のメディアを味方につけたとき
ドイツはどう動くのか。
ヒトラーの言葉はあながち間違いではなく
影響力があったことも納得がいく。
独裁者である前に国民に選ばれた指導者だったのだと、あの独裁者を生み出したのは国民だったのだと痛感する。
コメディなのだけど途中ドキュメンタリーのような感じでヒトラー演じるオリヴァー・マスッチがベルリンなどの街中で国民と実際にアドリブで会話している。ある意味リアルなドイツの国民の意見が聞ける。
意外とドイツ国民がヒトラーにたいして好意的だったのは驚いた。もちろん中指立てちゃう人もいたけどそれも当たり前よね。
ヒトラーの行ったことが正しいとは決して言わないし繰り返してはいけないことだけど、根底にあったのはドイツを良くしたいという想いだったのだと思うとなにが正義なのかわからなくなる。
モーツァルトにとってのピアノはヒトラーにとっての国民。
国民がいるからヒトラーがいたと言っても過言ではないのだということ。戦争はそれだけ人の判断を狂わせるということ。
ヒトラーが本物だと気づいたサヴァツキは精神が病んでるとされ病院で拘束される。人々はまだ彼が本物だと気づいていない。物まね芸人が現れたと人々は笑ったが、ヒトラーはずっと真面目だった。真面目に国の在り方を説いた。それに人々も影響を受けた。本物だとは気付くことなく。歴史はこうやって繰り返してしまうのだろうか。
ラストでヒトラーが言うセリフにはぞっとするものがあった。
そしてそれは本当のことなのだろうから人って恐ろしい。
あのときの情勢を、ヒトラーが犯した過ちを知って観るとブラックコメディも全く笑えないものになる。
真面目に書いたけど個人的にはかなり好きでした!