面白かった。
ただ単純に。
『決断ができる』人を誰もが求めている。
なぜなら誰もが大きな決断を避けて生きているから。
責任はその人にあり、自分が判断を過ったとは誰も思わずに…。
ヒトラーが過去から現代へタイムスリップする話。
でもどうやったのか、なぜなのかは語られないのでSF色は薄い。
視聴率さえ取れればいい、そのために手段を選ばない。
そんなメディアをディスりつつも、そこを足掛かりにしてヒトラーが政治家としてドイツで支持を集めていく。
それを終始笑いに変えていくところが本当にすごい。
ただ、個人的にはこれはコメディの皮を被ったドキュメンタリーだと感じた。
ドラマでもあるし、世界情勢からしたらスリラーかもしれない。
まあとりあえずラストが笑えるオチになっているかどうかは人を選ぶかな。
全体的にブラックだし。
あと犬好きには注意勧告をしておく(笑)
それでもしっかりとコメディの皮を被り続けて進んでいく様は素晴らしかった。
ヒトラーはヒトラーであり、強い政治力、意志の力は諸刃の剣であるということ。
小学生の頃、体育の授業で運動神経のいいやつが敵になるか味方になるかで印象が変わるのを思い出した。
政治の上ではそんなカリスマが果たして良い道に進んでいくのかは見極めないとならない。
『ヒトラーは悪』と少なからずされている現代においてもヒトラーなら人心掌握できるな、と思わせる作品だった。
やはり選ぶ側の人間はもっと責任を持つべきなのだ。
そして、途中の映像はすべて本当にドイツの一般人にヒトラーとして突撃して収録したらしい。
ヒトラー役のオリヴァー・マスッチにはただただ脱帽。
色々と考えさせられる映画は好きだ。
でも押し付けてこない、気づけば考えている作品が本当にいい作品だと思う。
これはそのひとつ。
