面白おかしく笑った後には、背筋も凍る恐ろしさ。
屋上シーンのBGMに違和感があったが後から納得。
ヒトラーのことをはじめてチャーミングだと思った。真面目で意思が強くて人に流されない。人を見る目があり、ユーモアのセンスもある。理想的な指導者のように一見みえてしまう。
けれども本当の彼は人種差別も殺戮も躊躇ない。
移民に苦い思いを持つ世の中、ポピュリズムが台頭する国々、政治への不満が膨らむ暗闇の中、人知れず静かに奴は、何度でも復活するのかもしれない。
はじめは皆んな笑っている。滑稽だと笑っていても、やがては指導者なしではいられなくなり、彼に反対する人間は精神を病んでいると思われるようになるかもしれない。
痛烈かつ、とても身近な風刺劇。
・脚本 8／10
・演技 8／10
・演出 7／10
・音楽 6／10
総合点 29／40
