しましま

帰ってきたヒトラーのしましまのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.7
もっとチャップリン風な軽めのブラックコメディかと思ってたら、確かにブラックユーモア溢れる映画なんだけど、全編を通して見え隠れする違和感…というか何とも言えないおぞましい感覚、狂気を感じた。
主人公が最初全然ヒトラーに見えなかったんだけど、立ち振舞いや堂々とした威厳、威圧感やら雰囲気も含めて段々と本物に見えてきてしまうから不思議だ。人身掌握術はもちろん現代社会への順応性の高さとか本当にありそうだよな。
メディアやネット社会を味方につけたらプロパガンダどころの話じゃない。
つくづく彼の生まれた時代が「現代」ではなくてよかったんだと思う。

冒頭、いきなり実在の政治家を正面切って批判したり、ユダヤ人問題など全体的にかなりキワドイ映画ではあるが、思いっきり引き込まれる。
半映画・半ドキュメンタリーのような作りも秀逸。

ああこれは完全に作り手の思う壺だな。


そしてこの映画が555マーク目なんだけど、偶然にもヒトラーの労働者党での党員番号が555という(笑)