ゆみこ

パーティで女の子に話しかけるにはのゆみこのレビュー・感想・評価

4.5
とんでもない映画をみた!!!


ナードのパンク少年が恋に落ちて音楽も恋愛も頑張るぞ!的なサブカルボーイミーツガールかと思いきや全然違った。これは深い深い愛の話。
男と女の愛だけでなく、親子愛、はたまた種族、生物愛にも繋がっていく。

”パンク”と”SF”の掛け合わせは斬新で、一見これらは何の関わりもないもののように思うが、「存続」と「絶滅」、そのための「抵抗」だったりと通ずる部分がある。
生産社会に対する猜疑、個性の尊重、自由への求心、そういう共通点がザンとエンを引き合わせたのだと感じた。
今を生きるパンクスと未来を想像するコロニーの間の小さなズレがラストに繋がっていったのだと思う。
また、現在の世界の比喩、転じて人々への投げかけもあったように感じた。


映像の撮り方、表現技法、美術、プロット、どこを取っても良かった。
あとエルファニングの儚げな美しさとミルク色の肌ね。

個人的にはタイトルが惜しい。
『シングストリート』のような話だと思って観る人が多いと思う。
逆にタイトルと内容のギャップを狙うのもアリかもしれないがこの点は及第点。
ゆみこ

ゆみこ