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パーティで女の子に話しかけるにはのminyamooomのレビュー・感想・評価

3.3
「冴えないパンク少年がパーティで可愛い女の子に出会ってどう話しかけるか…!」そんな淡い青春ロマンスのハウツーものだと思ってたらまさかの設定に驚愕。

パンク×青春×異星人のラブコメ。

1977年のロンドン。
オープニングはダムドのニューローズ。

「48時間しか残された時間はないの。」

とにかくエルファニングがかわいくて、変な髪型もおじコーデもデートもキスシーンもほんとうに眩しい。下手すると安っぽいB級映画になりそうなところを、エルファニングのかわいさのお陰できっとこれからもたくさん見られる映画に仕上がってる感があるよ。

♩eat me alive マミマミ!♪


異星人のグループには白人、黒人、アジア系、ヒスパニック系とあらゆる人種が網羅されていたり、ザンはアメリカ人と名乗っていたり、ニコールキッドマンの、アメリカは移民の国だろ!の台詞だったり、きっといろんなメタファーがあるんだろうなと思うんだけども、設定について行くのがやっとでなかなか深く内容について考えられなかった。
でも、なんていうのかな、生きるか死ぬか、食うか食われるか、組織が存続するか滅亡するか…そんな、わりに一大事な問題と並列してパンクがあるところがまたくだらなく、おかしい。お前らがそう来るならこっちはこうだ!と大きなスピーカーから流れてくるのはパンク。
エンと一緒に逃げたザンが言うセリフは、わたしにもっとパンクして。(なんかエロい)。
1977年のイギリスの雰囲気を知っている現地の人からしたら、どこかグッとくるところがあるのかもしれない。当時の不景気と高い失業率。未来がみえない閉塞感のなかで若者たちの怒り、不満、鬱屈した感情が強まり、「No Future」というメッセージの叫びがパンクという形で爆発した。
パンクが流行ったのはこの70年台後半の数年間だったようだけれど、きっと、パンクが当時の社会、あるいは政治に何かしら影響を与えた。パンク無くしてはイギリスは語れない、きっとそういう大切なものなんだろうと思う。ラストシーンに至るまで、そんなパンク愛がとっても感じられる映画だった。

ピストルズ、クラッシュ、ダムド、ラモーンズ。わたしはパンク、全然詳しくないんだけどあらためてまた聴いてみようという気持ちになったよ。
そして久しぶりにヘドウィグみたくなったよ。
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