チッコーネ

サンドラ・ジュリアン/変態白書のチッコーネのレビュー・感想・評価

2.5
『色情日記』の前にこちらを観てしまったが、まぁいいか。

パリに引っ越した直後の場面までは、凡ポルノ映画的な展開でひどく退屈…、「あ~、観始めなければ良かった」と思ったが、コールガールになってから後のデティールは、結構面白い。

サンドラ演じるヒロインはポルノ映画にありがちな「儚い女」でなく、ややはた迷惑な不感症女という設定で「その屈託が、性と自己探求への足掛かりとなる」という脚本には説得力あり…、カトリーヌ・スパークの『女性上位時代』に似ている。
また冒頭と終盤に出てくる、近親相姦女のキャラクターが、結構異常。

舞台美術は健闘しているもののセンスがイマイチ、先述の『女性上位時代』には遠く及ばない。
田舎臭い壁紙にビアズリーの絵を貼るという図は、ちょっとありえなかった。
照明も凝っているのだが、美しいと言うより、キャンプ寄りの悪趣味。
暗すぎるのか、よがるサンドラが『スクリーム』のお面みたいに観える場面もあって、やや気の毒だった。
時折「仁王立ちの男の股の間をカメラがくぐる」など大胆な構図も、散見される。